国際NGO 350.orgは12月15日に閉幕したCOP25(気候変動枠組み条約第25回締約国会議)について、声明を発表した。COP25を「化石燃料産業にとっての成功」とし、「気候対策を求める市民の声に対する政府の対応はあまりに弱腰過ぎた」と批判した。(オルタナS編集長=池田 真隆)

COP25の期間中、各国の交渉官は気候変動への国際的なイニシアチブ「パリ協定」で目指した取り組みを実施する上での規定について話し合っていた。各国は温室効果ガスの削減目標を引き上げることについては合意したが、「義務付け」ではなく、各国に任せる形を取った。

この結果を受けて、国際NGO 350.org日本支部の横山隆美代表は、「日本政府の代表としてCOP25に出席した小泉環境大臣は、世界から『石炭中毒』という厳しい批判があると認め、国内の石炭火力新設や輸出に対する認識と世界の認識との間に大きなギャップがあると語ったものの、温室効果ガス排出削減目標の引き上げや脱石炭に触れることはありませんでした。加えて、日本の二酸炭素排出量が減少していることや地方自治体の脱炭素取り組みなど、政府自体の努力とは言えない結果をアピールすることで批判をかわそうとしたことに失望を禁じ得ません」と厳しく批判した。

「報道によれば、経産省が小泉環境大臣の前向きな発言を阻んだと言われていますが、気候の不可逆的転換点が迫っているという危機感を政府内で共有し、削減目標を大きく引き上げ、一刻も早く具体的な行動計画を作成することが求められています」と総括した。




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