新型コロナウイルスの感染防止のため多くの大学では休校措置が取られているが、授業回数が減ったにもかかわらず学費が変わらないことを疑問視する声がSNSで噴出している。学費が減ると恩師である教授の給与にまで響くことが気がかりで、学生自らが訴えることをためらいがちだ。学生は泣き寝入るしかないのか。(オルタナS編集長=池田 真隆)

武蔵大学・江古田キャンパス1号館

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” open=”no” style=”default” icon=”plus” anchor=”” class=””]武蔵大学社会学部メディア社会学科4年の糸井明日香さんは15日、自身のフェイスブックで学費が変わらないことに疑問を呈した。武蔵大学は例年前期に15回授業を行うが、11回に減らした。現在は休学中で、再開は5月11日以降、6月上旬まではオンラインで授業を実施する予定だ。

学生が大学に通えない期間に、オンライン対応への移行を図る事務員や教授へは「異論はないし、その対応にむしろ感謝している」と述べるが、やはり、例年通りの学費を支払うことは納得できないと強調する。

武蔵大学社会学部メディア社会学科の前期の学費は54万9900円。その内訳は、授業料が約38万円で維持費が約15万円だ。後期もほぼ同額の学費が掛かる。例年、前期の振り込み期限は4月末だが、収入が減った家庭への配慮として今年度は5月末までと延納処置はしている。

糸井さんは、新型コロナウイルスの影響で授業回数が減るのは仕方がないとし、「11回で15回分に相当する授業内容を考えてくれている」と大学側に理解を示す。が、「維持費が減らないのはおかしい。大学に立ち入りを禁止されていて、施設を一切使っていないのにもかかわらず、なぜ例年通りの額なのか」と述べる。

糸井さん

糸井さんは同大学の経理課に問い合わせたが、「現時点では減額の予定はない」との一点張り。そもそも減額については、「大学側で議題にも出ていない」と冷たく返された。

これまでお世話になってきた先生たちの給与にまで影響が出てしまうのなら、「正直、声を上げづらい」と心情を吐露する。ただ、「やっぱり、どう考えても納得がいかない」と取材中、再三口にした。

いま、糸井さんのもとには、フェイスブックに投稿したことで、多くの人からコメントが届いている。ゼミの指導教官からは、即座に長文でメッセージが届いた。

新型コロナウイルスの影響で先の収入が見込めない家庭は少なくない。「私と同じような悩みを抱えている人はいるはず。周囲の人と相談しながら、アクションを起こしていきたい」と前を見る。

糸井さんは武蔵大学に学費の減額等を要求する署名を集めています。署名についてはこちら

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