レディガガ、ビリーアイリッシュからローリングストーンズまでもが参加して、世界の医療従事者を支援するチャリティオンライン型フェス「One World: Together At Home」がこのほど開催された。そのアジア版とも呼べる試みが、クリエイターのいとうせいこうの呼びかけで始まっている。それが、「Music Don’t Lockdown(通称MDL)」。氏は、「音楽はロックダウンしない。させない」と語る。(寄稿・平井 有太=ENECT編集長)

4月25・26日に予定している「巣ごもり SP グランドフェス」。いとうせいこうの呼びかけで各国からアーティストが集まっている

日本でも新型コロナウイルスの影響で、ライブハウスやエンターテイメント業界は大きな影響を受けている。MDLは音楽に関わる人々を「封鎖」せず、音楽を楽しむ人々同士を「封鎖」しないために、アーティストが自宅や無観客会場で各自がプレイ、配信することをコンセプトとする。

さらには投げ銭、クラウドファンディング、オンラインチケットなどで、リスナーが直接、出演機会が減ってしまったアーティストやスタッフたちの活動を救済することを目的に、みんな電力、ローランドなどが協賛し、3月28日から毎週末開催されている。

■アジア各国からアーティストが集結

これまでに発起人のいとうせいこうはもちろんのこと、音楽界からはGO-BANG’Sの森若香織、Watusi (COLDFEET)、ダースレイダー、DUB MASTER X、須永辰緒、中塚武、クリエイターの大宮エリー、お笑いから小島よしお、政治評論家の中島岳志、落語家の東生亭世楽など、ラッパー、DJ、俳優、小説家といった様々なジャンルで活躍するアーティストが参加している。

きたる4月25、26日の週末には、アジア最大の投げ銭メディア17mediaとのタイアップが決定。「巣ごもり SP グランドフェス vol.1 powered by 17 Live」が開催される。

このオンライン配信には、17mediaのネットワークの元、台湾、タイ、インドネシア、シンガポールなど、アジア各国から30組以上のアーティストの参加が決定している。日本からもいとうせいこう is the poet、高木完、Zeebra、ラッパ我リヤ、ラサール石井、グレート義太夫、やついいちろう (エレキコミック)など、多種多様なアーティストたちが参加。その第二弾や新型コロナ終結後は、リアルイベントも予定されているという。

世界中にかけられた「STAY HOME」の大号令のもと、中国やインドの大気汚染や、ベネチアの濁った水路がきれいになったというニュースを見ることは増えてきた。人々の移動の抑制と「密」の削減は、おのずと環境負荷の軽減を実現させている。
しかし、この状況の収束は、未だ誰にも見えていないのが現実だ。私たちの心を掴み、揺り動かし、時には汚れてしまったその洗浄もしてくれていた音楽などエンターテイメントは、今後どうなっていくのだろう。

遠隔にいる世界中のアーティストがオンラインを通じてひとつのフェスを行う。コロナが産んだ、この新しいスタイルのエンターテイメントは根付いていくのか、MDLの今後に注目だ。

「Music Don’t Lockdown(通称MDL)」公式サイト 
「巣ごもりSP グランドフェス vol.1 powered by 17 Live」
配信アカウントID: MDL_Official(http://ur0.work/GvnT

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