お弁当などが入っている容器。食べた後は捨ててしまうのが普通だろう。

大阪にある秀英が開発したリサイクル紙容器「ホッかる」は、容器の92%がリサイクル可能だ。その秘密は、紙容器の内側に貼ってあるフィルムにある。中身を食べ終えた後、フィルムをはがして箱を広げると一枚の紙になり、再生ゴミとして回収が可能になる仕組みだ。容器7個を回収すると、トイレットペーパー1個分に再生できる。この取組みは、小学5年生の社会科の教科書にも掲載されているという。

「ホッかる」の名前の由来は、「ホッ」とした気持ちで健康的においしく食べて、人も資源も地球も助「かる」という意味。紙特有の温かみがあり、食べていてどこかホッとするのが特徴だ。フィルムをはずして残りの容器は再生ゴミとして回収することで、ちょっと環境にいいことをした気持ちになる。

同社は1995年にダイオキシン問題が起きたことで、早くからエコに注目していた。これからは環境に配慮した商品を作らなければという思いから開発に至ったという。紙容器のデザインの自由性を生かし、広告媒体として使用することも可能になった。

初めて採用された2000年の中之島祭りでは、売店のほぼ全ての容器に「ホッかる」を採用した。「ホッかる」を捨てるには分別をしなければならないため、祭りで出るごみ全てを分別しようという活動にもつながった。それまで全て廃棄をしていた約80万円のごみ処理費用が3年間で半分になったという。

同社会長の上田秀行さんは「これからの世代を担う若い世代の人にエコの意識を引き継いで欲しい」と笑顔で話していた。(オルタナS関西特派員 田中茉希子)

(写真=特許出願中の「ホッかる」を手に笑顔をみせる上田会長)

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リサイクル紙容器 「ホッかる」