行って良かった!「農業体験BEST47――全国各地のおすすめスポットを一挙公開!」

今、農業をはじめとする第一次産業(農業、林業、水産漁業、畜産業)が再び注目を浴びています。林業男子や林ガール、ノ(農)ギャル、ウ(魚、海)ギャルなどなど、自ら志してアグレッシブな活動している若者が増えています。

そこで、今回は全国各地で農林水産漁業が体験できるスポットや、実際に従事している若者の生の声を特集しました。
全国の農村へ派遣されている「地域おこし協力隊」や「緑のふるさと協力隊」、「田舎で働き隊」に参加する若者からのレポートも届いています。
「農業体験BEST47」では編集部一押しの全国の体験スポットを47個公開し、TwitterのツイートやFacebookの「いいね!」ボタンのクリックを一票とし、オルタナSサイトを通じて投票を受け付けました。 (投票期間 9月1日~26日)

47件の記事のうち、投票数上位BEST5を発表します!

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■第5位 限界集落で出会った、たくましい村人たち(新潟県) (30票)


そこは山に囲まれ、本当に隔離されたような村だった。新潟県十日町市の山奥にある小さな池谷集落。私は特定非営利活動法人JENとFedexが共催で行っている「田んぼへ行こう!!」という3日間のコメ作り体験イベントに参加した。これがきっかけで、今は池谷集落で農業を学んでいる。

イベント時は農道の草刈りをした。当時住民はたったの13人。けれどそこには夢と希望があった。住民の半数以上を占める70代の人たちだが、村を存続させようと一致団結し、地域おこしに励んでいた。

リーマンショックにより世間が波立っていたときに、彼らは違う次元にいて、お金に左右されず、自然や世間と向き合っていた。顔を上げ、逞しく遠くを見つめる。そんな村の人たちに惹かれ、定期的に足を運ぶようになり、気付けば1年半。大学卒業を目前としていた。

しかし私の心は決まっていた。「村の人たちの農業の技術や、農業をするからこそ身に付いたその哲学を繋ぎ、守っていきたい」。それは、収入がたとえ少なくとも貫きたい思いとなっていた。そして今年、私はこの地でコメ作りを始めた。(オルタナS新潟特派員 坂下可奈子)


◆この地域のおすすめポイント
1.その土地以上に魅力的な村の人たちの逞しい生き方
2.山に囲まれ物理的に隔離された集落だからこそ、守られている技術や考え方、生活の知恵がある

◆詳細はこちらから!
田んぼへ行こう!2011募集
http://blogs.yahoo.co.jp/iketaniiriyama/52086177.html
坂下さんのブログ
http://ameblo.jp/kibousyuraku/


■第4位 ソーシャルファーマー「トラ男」と稲作(秋田県) (33票)


秋田県でコメ作りに燃える4人の若者がいる。彼らは高齢化による農業の衰退を防ぐため、若い力で農業に革新を起こそうと“トラクターに乗る男前”、略して「トラ男」プロジェクトを立ち上げた。

発起人である武田昌大さん(26)は、生産者と消費者が直接つながりを持てる仕組みを作りたい考え、あきたこまちを食すイベントやコメ作りを体験できるツアーなどを企画している。

6月に開催された田植えツアーはトラ男1人+参加者2~3人と少人数で行われ、農業初心者でも丁寧に教えてもらえて安心だ。中にはトラクターに乗った人も。

参加者の多くは女性で、農業に関心があり田植えをしてみたいという人が集まった。
またツアーというだけあって田植えだけではなく温泉や川なども巡り、参加者は「本当に楽しかった。草刈ツアーでも何でもいいからまた秋田に来たい!」と秋田をとても気に入ったようだ。

秋には稲刈りツアーが開催される予定だ。トラ男と一緒に、美味しいお米を作ってみませんか?(オルタナS特派員 木村絵里)


◆この地域のおすすめポイント
1.平均年齢26歳!若い農家さんと楽しくコメ作りができる
2.少人数で農業初体験の人でも安心!

◆詳細はこちらから!
トラ男プロジェクト~秋田の若手米農家たちの挑戦~
http://www.torao.jp/index.html




元・丸の内OLも。女性が始めた有機農業(宮崎県) (48票)


化学肥料や農薬を使わない自然生態系農業で、さまざまな種類の旬の野菜を栽培している早川農苑。社長の早川ゆりさんは、以前資材販売の会社を営んでいたが、必要のない農薬を大量に使う現代の農業に疑問を感じ、18年前に自ら農業を始めた。

そんな一風変わった歴史を持つ早川農苑では、農作業をする人も実に様々だ。東京から農業研修生として働いている人や、ボランティアとして手伝いながら農家を目指す銀行員などがいる。また、スーパーのお客さんが実際に農園で収穫作業を行ったり、東京の購入客が農園に遊びに来ることもあるという。

農家を志す、元丸の内OLの大岩友紀子さんは「大量生産大量消費の世の中、モノを大量に消費してこそ経済が回り、お給料をもらえて生活が成り立つ。そんな資本主義社会に疑問を持ち始めました。山で暮らす人は山の幸を取って食べ、平野に暮らす人は畑をして野菜、米などを作り、海の近くで暮らす人は海の幸を取って食べ、それを物々交換して生きるために暮らしていくのが人間のあるべき姿なのではないかと思ったのです」と語る。

農園での作業は草取りや袋詰めなど、農業には欠かせない作業ばかり。これに一年間通して関わりながら、農業を体で学んでいく。ぜひ一度、早川農苑に足を運んでみてはいかがだろうか。(オルタナS宮崎特派員 荒井克也)


◆この地域のおすすめポイント
1.農園の方だけではなく、お客さんとも農業を通じてコミュニケーションができる
2.農家として生活するために必要なことをじっくり学べる

◆詳細はこちら!
早川農苑
http://www.geocities.jp/hayakawanoen/toppage.html



■第2位 「星空日本一」の廃校で国産小麦作り(栃木県) (61票)



廃校を利用した「星ふる学校『くまの木』」(栃木県塩谷町)では、NPO法人塩谷長旧熊ノ木小学校管理組合(加納麻紀子事務局長)が中心となって体験学習が行われている。

その体験の一つに、パン小麦栽培がある。日本では気候やコストの面から、ほとんどパン用の小麦を栽培していない。日本に適した小麦の品種が、まだ確立されていない中での挑戦だ。

このプログラムは秋の種まきから始まり、冬に麦踏みをし、夏には手刈りをする通年の体験だ。加納さんによると、参加者の中には「パン屋を営んでいてもなかなか小麦から作ることはない」とパン屋さんの参加も多い。「これからも体験を通して、地域との関わりを持ち、農村地域が農村地域として続く応援をしていきたい」と語ってくれた。

同校では環境庁の平成12年度全国「星が見える場所」調査で、日本一星がよく見える場所に認定された。今は星一つ一つのように点でしかない農家や参加者が、ひとつの星座となるよう、一年かけて地元の人たちと共に小麦作りに挑戦しよう。(オルタナS新潟特派員 坂下可奈子)


◆この地域のおすすめポイント
1.日本ではあまり作られていないパン用小麦栽培を地元の人たちとともに挑戦!
2.体験への参加が地域の応援にもなる
3.平成12年度冬季の全国「星が良く見える場所」調査(環境庁と日本環境協会が依頼した調査)で全国トップとなった場所での農作業

◆詳細はこちらから!
星ふる学校「くまの木」
http://kumanoki.or.jp/



■第1位 楽しみ方はおまかせ。古民家付き農園(埼玉県) (87票)



都心から電車で1時間のところにある古民家付き貸農園「Corot」は、運営者の峯岸祐高さんが「野菜ではなく体験を売りたい」という発案のもとに誕生した。そのため使い方は利用者によって自由なところが特徴だ。

農業を思いっきり楽しみたいという人は会員制の貸農園で10種類ほどの野菜を育てることができ、初心者へのサポートや農機具も備わっているので気軽に利用できる。また1日だけバーベキューをしたりピザ作り講習を受けたり、さらには忘年会を開くことも可能だ。もちろん古民家に宿泊することもでき、囲炉裏やかまど、五右衛門風呂があるので昔ながらの暮らしを味わえる。

参加者の多くは20~30代の女性または家族連れで、宿泊した人は「孫もまたここで寝たいと言っていました。薪を運んで一生懸命火をおこしていました。初めての五右衛門風呂には翌日にもう一回入ったほど気に入っていたようです。採れたての野菜もおいしかったです。冬にいろりにあたりながらの鍋も是非体験してみたいと思います」と、とても良い思い出になったようだ。

友達と楽しむも良し、家族でのんびり過ごすも良し。それぞれの楽しみ方がある場所だ。(オルタナS特派員 木村絵里)


◆この地域のおすすめポイント
1.都心から電車で1時間!
2.農作業初心者でも気軽に参加できる。
3.それぞれに合わせて自由に利用できる。

◆詳細はこちらから!
古民家付き貸農園corot
http://corot.bz/