東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県大槌町の地域新聞「大槌みらい新聞」の立ち上げから創刊までの2か月間の取り組みについての報告会が22日、早稲田大学で開催された。
大槌みらい新聞は、東日本大震災により地域メディアがなくなってしまった大槌町にメディアをつくろうと集まった東京・京都の学生インターン生と元新聞記者によって立ち上げられた「News lab♡おおつち」が毎月15日に大槌町内で発行する。
紙面では、大槌町内で前を向いて復興に向け頑張っている人物や町の復興計画についての情報を取り上げる。また、大槌町内のイベントを町民の方に紹介してもらい、まとめた「町民カレンダー」も掲載している。
仮設住宅での生活を余儀なくされている住民も多い大槌町では、隣近所との繋がりが薄く、地域メディアがなくなり、イベント情報などが共有されづらい状況となっていたため、このカレンダーは作られた。
これらの記事の内容は、取材から配布まですべてNews Lab♡おおつちのスタッフが自転車で大槌町内の仮設住宅や住宅を一軒一軒まわり、行っている。
現在は外部から来たスタッフが発行しているが、将来的には町民自らが情報発信者になれるような取り組みも行われている。例えばカメラの撮り方についてのワークショップを行ったり、町民にカメラを貸して、撮ってきてもらった写真をfacebookで発信することで、情報を発信することの楽しさを知ってもらうようにしている。
学生インターンとしてこの活動に参加している慶應義塾大学3年の木村愛さんは「町内で情報が共有されることが復興の促進にも繋がると思う。町内の人が知りたいことや役に立つ情報、大槌のいいところをたくさん発信していきたい」と話す。
大槌みらい新聞は、町内では無料で配布され、関東や他の地域向けにfacebookやweb上でも記事を公開している。(オルタナS企画局長=板里彩乃)
大槌みらい新聞 http://otsuchinews.net/