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■若者と大人の架け橋に
——「ノギャルプロジェクト」発足時は、参加者のほとんどが、憧れのモデルに会えるからという理由で参加していたそうですね。食の問題に無関心な若者に、関心を持ってもらうために藤田さんが心がけていることはありますか。
藤田:無理に、毎日スローフードを勧めても難しいですね。まず、自分だったらどうしたら興味を持つのかを考えます。自分にできることをできる範囲で続けることが大切だと思いますので。食の産地や、旬を気にすることなど、自分が興味を持ちやすいと感じられることから初めていけばいいのではないでしょうか。
農業ツアーに誘った方法で、普段見たことがない景色を伝えたことがあります。
東京で遊んでいる子に、地方の青い空や色鮮やかな野菜を写メで送りました。そして、実際にその野菜をあげると、「今度連れて行って」と言われましたね。
——最近では、エコやエシカルな価値観を持った若者は多いです。若者の力で社会を変えることを目指す藤田さんは、若者の可能性をどう感じていますか。
藤田:色々な力があるので、大人が自信を持ってその才能を生かせる環境を作ってあげるべきだと思います。例えば、若い人が夢を持てなくなったのは、そういう大人の背中を見て育ったことも影響しているのではないかと思います。
若者には、自分の思ったように進んでほしいです。若者が持つ斬新なアイデアを、これまで大人たちが創ってきた環境に加えられればよりより社会になっていくはずです。
若者たちと農作業をしていると、彼女たちのアイデアには期待を感じます。はじめはいやいや農作業をしていた若者も、次第に「いかに楽しむのか」という思考に切り替わり、「農作業はダイエットになるからがんばろう」や、「誰が一番早く終わるのか競争しよう」などと自分たちで楽しく工夫しながら作業し始めます。
大人たちには、「見た目が派手」という理由でギャルに偏見を持ってほしくありません。そして、ギャルたちにも、大人たちに偏見を持ってほしくないのです。お互いが尊重し合って、理解しあえば必ず新しい可能性が生まれてきます。