今月16日、元陸上選手の為末大氏が「為末大学」を開催した。この大学は、過去に2回開催されており、毎回、為末氏とトークゲストが話し合う。
今回のトークゲストは、岩瀬大輔氏だ。岩瀬氏は、東京大学法学部を卒業し、ボストン・コンサルティング・グループに就職する。2004年から2006年までハーバード大学へ留学し、上位5%の成績で卒業。卒業後は、元日本生命の出口治明氏とライフネット生命保険を立ち上げ、去年3月には東証マザーズへの上場をはたした。
上述の質問に為末氏は、「人間は憧れやコンプレックスを抱いており、子どもの頃にできなかったことを大人になってから取り戻そうとする。すると、おおよそ似たような場所に人が集まるので、競争の厳しい世界へと入ってしまう。勝てる場所を選択することが重要。自分のエゴと向き合うエゴマネジメントを怠ってはいけない」と答える。
「戦略の本質は競争のない分野に行くこと」と岩瀬氏は言う。近年の就職氷河期の問題点にも言及した。「大学生の就職活動は、小学校のバレンタイデイに似ている。まだ、真剣に恋愛したことがないから、人からの噂で人気が高いサッカー部や野球部のキャプテンにチョコが集まる」
「とりあえず勝てば次の道が開ける」と為末氏は話す。「勇気を出して直感を信じて、チャンスを掴んでほしい。即決したからこそ、人生が変わる瞬間はある。それでも人は冷静になって論理的に考えてしまうことが多い」
「まずは、なんでも動いてみることでわかることがある。完全燃焼することを目指し取り組んできた。ゴールは目的地に行くことではなく、その過程を楽しむこと。目的地までに、様々な人や出来事に遭遇するが、それを楽しんでいる」と岩瀬氏。
ゴールが目的地ではなく、道のりを楽しむことと話した岩瀬氏に、為末氏はメダルを獲得しても、満たされなかった事例を話した。