――なぜ「ホンモノ体験」が必要なのですか。
片山:体験しないと分からないことがあるからです。知人からこんな話を聞きました。子どもがキャンプでたき火をしていると、ある子どもが、火が綺麗だと思い、触りに行ってしまったそうです。今ではIHが主流でコンロの火を見たことがなく、火は熱いものだと体感しないまま育ってきたためでしょう。
もちろん、この例はすごく極端です。インターネットの発達でいろんな疑似体験ができるようになりましたが、こんなことをしたら危険だと知る体験は絶対に必要だと思います。実際に我々が体験してみると、インターネットで得られる情報とは違うと感じることがほとんどだからです。
――活動を始めたきっかけは。
片山:大学時代に自転車で大阪から北海道まで行ったことがきっかけです。2週間かけてゴールに辿り着いたことがすごく自信になりました。やる気になれば、何でもできるということを学び、人生が変わりました。そういう体験を子どもたちに伝えたいと思いました。
ただ課題を与え、それを実行させるのでは何も生み出せない。北海道の時もそうだが、自分からやろうとして達成したからこそ、代え難い経験になりました。子どもたちも、そういう経験ができれば、人生は劇的に変わると思います。
リスクを冒さずに育った子どもは弱い。いろんなリスクがあるからこそ、それに対応する能力が身に着くはずです。野外活動はリスクを通して学ぶことに適した手段だと思います。