この結果、全6基ある原発のうち、1、2号機にカバーが取り付けられ放射性物質の流出は100分の1に抑えられたという。今回の体験は岡室さんの経営理念にも前向きな影響を与えた。

「ものづくりを通して本当に人の役に立てたと感じたのは感無量だが、現地ではいまだに問題は解決していない。危険と隣り合わせのなか、現場で作業する人々が国を支えてくれている」と話し、創業56年を経て2012年に初めて経営理念を変更。

より社会に役立ち、必要とされる企業になるべく「イメージをスピード実現する達人として、共に未来を創ります。」を新たに打ち出した。企業理念を中心においた経営を目指し、これまで以上に社員教育にも力を入れていく方針だ。岡室さんは「長年の経営の壁を越えたい。目標達成のための転換期は今だ」と話している。

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