社会起業家支援を行うアショカジャパンでは2012年から「(東北)ユースベンチャープログラム」を行っている。このプログラムでは社会問題の解決や東北の復興に対して、行動を起こしたいという気概とユニークなアイデアを持つ12〜20歳の若者を支援している。アショカジャパンにより選出され、活動を続ける若者を特集する本企画。第9弾の今回ご紹介するのは、10代が政治へ興味を持ち主体的に参加することを目的として活動する「僕らの一歩が日本を変える。」代表の青木大和さん(慶應義塾大学法学部2年)。(志田淳)

若者と政治をつなげる活動をする青木さん

小学校の頃から政治に興味があった青木さん。生徒会長をしていた当時、小泉純一郎元首相に憧れを抱いたという。

「自分がしていることが上手くいかなくて迷っている時に、メディアで見る小泉元首相をとてもかっこ良く感じました。小泉元首相は最も影響を受けた政治家の1人です」

そして15歳の時に留学したアメリカで衝撃を受けることになる。当時オバマムーブメントの中にあったアメリカ。そこで同世代の若者たちが、社会や政治について議論を交わしている姿に大きな衝撃を受けたという。

「ディスカッションをしている時も、正解や不正解なんて関係なく主張をすることができる姿勢には衝撃を受けました。そしてあの時、間違いなく歴史の転換期の渦中にいたという感覚があります。絶対に不可能だと言われた黒人の大統領が誕生した瞬間に立ち会えたんです。オバマには刺激をもらったというよりも背中を押してもらったという感覚が大きく、想いを伝えて周りを巻き込めば、不可能なことはないということを教えてもらいました」

帰国した青木さんはその後、多くの政治家との対談や政治塾での勉強を経て、より多くの若者を巻き込んで行くために「僕らの一歩が日本を変える。」を立ち上げた。その活動は、自分がもし総理大臣になったとしたら何をするかを全国の若者に聞きながら発信する「全国行脚」、国会議員とともに社会問題について議論をする「高校生100人×国会議員」、10代が気軽に社会問題について話し合える場作りを目的とした「Boku1house」など多岐にわたり、今後、NPO法人としてさらに活動の幅を広げていくことを目指している

団体メンバーで集合写真

選挙権は18歳に与えられるのか。集団的自衛権の解釈はどうなっていくのか。TPPは、隣国との関係は、地方の問題は、一体どうなっていくのか。この先の社会がどうなっていくのか、その舵を取るのは私たちの世代。僕らの小さな一歩こそが、日本を変えることができるのだ。