ソーシャル・ビジネスに特化したコンテスト「ソーシャルビジネスグランプリ2014夏」が9月7日、虎ノ門の発明会館で開かれた。ビジネスで社会的課題の解決を志す社会人6人がプレゼンした。グランプリには、アフリカで医学的な支援体制を築き、自然分娩を促すクリニックの展開プランを発表した杉下智彦さんが輝いた。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

杉下さんが提案したのは、ケニアの妊婦を対象にした民間クリニックだ。アフリカで医学的な支援体制を整えて、安心して出産できる社会をめざす。

杉下さんは、国際協力機構(JICA)の国際協力専門員として働く。国際協力活動に20年近くかかわってきた。貧困や格差を目にしてきたため、ビジネスの力でアフリカを自立的に発展させていきたいと意気込んだ。

当日は、グランプリに加えて、観客200人の投票数で決める「共感大賞」も受賞した。ダブル受賞を受けて、杉下さんは、「貧困、差別のない世界をつくっていきたい」と決意を示した。

「世界の国家元首が皆女性だったら、自分の子どもを戦争に行かせたくなくなるはず。でも、男性だって、そのように思えるはず。私は、子どもが生まれて、より強く、より良い地球になってほしいと思うようになれたから」

審査員特別賞には、自治体主導のクラウドファンディング企画を提案した前衆議院議員の米長晴信さんが選ばれた。同グランプリは、社会起業家の育成をめざすビジネススクール社会起業大学が2011年から開催しており、今回で9回目となる。