さわかみ投信は10月17日、みんなの夢アカデミーを東京・千代田区の同社で開いた。同社の澤上篤人会長が講師を務め、起業家志望の学生・社会人約30人がビジネスモデルをプレゼンした。澤上会長は、未来の社会起業家たちに向けて、ビジネスの先を読むことの大切さを説いた。(オルタナS副編集長=池田 真隆)
同アカデミーは、2015年2月23日に日本武道館で開催する「みんなの夢アワード5」への出場者向けに開かれているビジネススクールだ。みんなの夢アワードとは、夢の実現性を競い合うコンテスト。選考を通過したファイナリストには、大手企業50数社を前に、夢をプレゼンする権利が与えられる。
10月17日には、本番に向けて、ミニコンテストが開催された。受講生は3分間で、夢とその実現へ向けた計画をプレゼンした。その後、澤上会長を含め、プレゼンを聞いていた受講生たちから、次々と容赦ないツッコミが与えられた。
プレゼンで出た夢は、「教育格差をなくすために、貧困地域のお母さんに仕事をつくりたい」、「SNSを使った寄付体験で、寄付市場を拡大させたい」、「学生向けにキャリア支援の塾を開業したい」などさまざま。
澤上会長からもするどい指摘が出たが、印象に残った発言は、「本当にそれをして楽しいの」という投げかけ。たとえば、利益を得るために、新規事業の立ち上げに取り組んでいた受講生に対して、「創業時に行っていた事業とは異なることを始めたら、昔のようにニコニコ笑っていられる?」と尋ねた。
そう尋ねた澤上会長は真意をこう説明した。
「日本は、成熟経済と言われ、ビジネスチャンスはないとされている。しかし、そんなことはない。個人金融資産は上がっている。購買力はあるが、すでにたくさんの物を持っているから買わないだけ。物が溢れた今の時代で、売れるためには、『面白さ』や『驚き』、『楽しさ』を持って考えられるかが大切」
澤上会長は、ビジネスは主観に従ってやればいいと言う。しかし、お金の稼ぎ方も見られている時代のため、「稼ぐ方法とともに、稼いでいる姿勢が問われる。経営者はビジネスだけでなく、法律や社会のルールさえもつくる。その気概を忘れないでほしい」とエールを送った。
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