同メディアの名称は、W.W.J PROJECT。World Wide Japan Projectの頭文字を取った。執筆者は、アジアを中心に10数カ国にいる。「日本人の活動領域を世界へ」というキーワードのもと、日本人が海外で活躍できる環境をつくりあげることを目指す。
倉田さんが同メディアを立ち上げた経緯はこうだ。フィリピンに移住して、1年が過ぎ、仕事も落ち着いてきたとき、「自分が海外で働きたいと考えた時に、現地で働くイメージがつきにくかったこと」・「海外のリアルタイムの情報を現地在住の日本人から得られる方法がなかったこと」・「漠然とした不安があったこと」の3点を思い出した。
倉田さんは、自分のように、海外で働いてみたいと考える若者の道標になる媒体があればいいと思い、20代で海外で働く日本人に声をかけた。
同メディアは、すでに50カ国以上からアクセスがあり、若者を中心に親しまれている。今後の展望として、倉田さんは、「世界中にライターを増やし、世界各国から多様な情報を配信したいと考えている。また、各国のライター同士の対談を通して各国のビジネス比較や、海外で働くことに対しての各国でのメリット・デメリットなども生の声で配信していける媒体を目指す」と話した。
以下に、倉田さんが執筆した記事「セブに住む筆者が考えるセブ島留学のメリット・デメリット」を紹介する。
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「セブに住む筆者が考えるセブ島留学のメリット・デメリット」(執筆=倉田拓人)
まず筆者が先に述べなければいけないのは、筆者自身はセブ島で留学していません。在住2年、関わって5年のセブで見て、聞いて、留学生と数えきれないほど出会って、話して、仕事上語学学校に営業にも行ったりして、そんな中で感じているセブ島留学のメリット、デメリットについて考えていきたいと思います。
また、現地に在住している以上少なからず留学関係の友人もいるのですが、筆者はセブ島留学を否定したいわけではなく、あくまでも住んでいて、かつ留学事業には関わっていないという数少ない日本人の客観的で率直な意見としてセブ島留学を本記事では考えていきます。ちょっと辛口になるかもしれませんが、筆者の1つの意見として読んで頂ければ幸いです。
■ビーチは1つもない
まずセブについての基本的な情報から、留学の環境について見てみましょう。発展しているセブ島内のセブシティー・マンダウエシティーと、空港のあるマクタン島でほとんどを過ごすことになるセブ島留学ですが、語学学校は各エリアに点在しています。
「セブ島旅行」と聞くと「セブ島には美しいビーチや輝く海が広がっているはずなんだ!」と考えてしまいがちですが、正確に言えば「セブシティー・マンダウエシティーにはビーチは1つもない」ことは日本の中でほとんど知られていないと言っていいと思います。この2つの街は背の高い建物が立ち並んでいたり、大きなモールがあったりと、かなり発展しています。東南アジアの混沌も大いに感じられ、バイクが無数に道を走り抜ける光景も見られます。
リゾートとして美しい海や離島へのアクセスが可能なのはマクタン島であり、かつそのビーチは区画化され、各リゾートホテルが所有しています。従って筆者は在住して2年が経ちましたが、ホテルに泊まったり施設利用でなかなか高額な費用を払ったりしなければ海に行くことができないため、1年の中で海に行った回数は両手で指を折って充分足りてしまうほど。
友人からは「セブに住んでいるなら、いつでもあんな絶景の海に行けていいよね!」とよく言われるのですが、そんなにマクタン島も甘くありません。日本では海に行けば浜辺が広がり、大抵入場料なんて取られることはありませんが、きれいな海に行こうと思ったらマクタン島では少なくとも、1500ペソ(約4,000円強)程度のお金を払わなければいけないのです。
留学するに当たり、学校がセブ島内でもマクタン島内でも、海を求めてほとんどの学生さんが現地の日系・韓国系のツアー会社に申し込んで離島へのアイランドピクニックと呼ばれるツアーに参加しています。こういったツアーに参加することで、セブを訪れたい方が求めている「美しい海」にやっと出会うことができるのです。
このように、「セブ島留学」=「リゾートで学ぶ優雅な英語留学」という考え方で現地を訪れると、セブ島内の主要エリアではリゾートとは無縁の雰囲気、マクタン島であっても海に何回も訪れるにはある程度余裕のある予算準備が必須になるということです。どうしてもセブというとリゾート!という印象が先行しているので、もちろん大きな買い物であり時間も使うわけで、是非現地のことを良く調べて留学を検討してもらいたいと思います。
■日々変化する外部環境