次に、実際に留学をしている学生の方々から聞こえてくる話の中で共通して聞かれるケースについて考えてみたいと思います。それは、現地でできた仲間との生活と、学校以外で英語を学ぶ時間のこと。
ここ数年で急激にセブ島留学が日本で、特に若い世代に認知されることになったこと、またセブへの直行便が成田・中部・関空からそれぞれ就航されたことなどを受け、日本から近い場所としても少しづつ知名度を高めており、その結果日本人がたくさんセブ島を訪れたり、留学するようになってきました。
実はセブ島留学は全体的な数で言えば韓国資本の学校が先行しており、日系がその後入ってきたという構図で、最近はロシア系やアメリカ系の学校も見られます。日本人の学生になる方々はこういった外部環境の中で、「自分の予算と滞在期間」「自分が得たい英語スキルのレベルとその用途」「学校の指導方法・方針」の大きく3つをポイントとして学校選びを進めていくことになります。更に細かい観点としては平日・週末の門限、どこの国の資本の学校かによって学食のメニューも変わってきますから、選ぶ際にはそれなりの時間を有することになります。
現地で学んでいる学生の方々に話を聞いていくと、実際に選ぶ際にはかなり細かく自分の留学中のイメージを作り上げて渡航するとのことですが、その後実際に現地についてからは、想像とは違うことが起こってきます。それは、語学留学をしにセブに来ている人は自分だけではないということに気付く、ということなのです。
様々なパターンがあるようですが、日系の学校に入れば必然的に生徒も日本人が多くなります。ストイックに自分でコツコツと積み上げ、空き時間も惜しみなく学び続ける人と、現地でできた友人との時間に多くを費やすケースの2つが大きく見られ、入学時にはほぼ同じラインでスタートした学生の方々が卒業するときには、現地の生活がそのまま結果として反映されてくる厳しい現実が待ち受けています。
WWJのシドニーライターであるShokoは筆者の以前からの友人で、セブ留学を経てオーストラリアで奮闘しています。彼女のような学生に現地で何度か会って話をしているうちに、いい結果を得られる人はどういった生活をしているのかがよくわかってきました。
確固たる自分の目標、例えばセブ島留学後英語のネイティブ圏で更にステップアップを狙う、TOEICのスコアーを具体的に目標値としてその達成に集中する、英語利用が必須な職に就く、などの指針を自分の中に持っている人で、かつ実費で留学に参加している方はほとんどの場合かなりストイックです。
この場合、語学学校に入学してランク分けされた後もメキメキとランクを上げ、ゴボウ抜き状態で卒業していく人も少なくありません。これに対してなんとなく英語が話せるようになりたいという曖昧なイメージのままで現地に来てしまうと、そういった曖昧な人たちが集まって日本語で話す時間が多くなり、結果飲みに行ったり遊びに行ったりするのも日本人ばかりで、セブでちょっとしたロングステイを友人と楽しくして、英語も少し学んだような程度になってしまうのです。
実際に日系のレストランや飲み屋さんにたまに訪れると、10人ぐらいの日本人が日本語で話しながら飲んで楽しんでいる姿が見られます。決してそれが悪いということではないのですが、セブに到着した瞬間から刻々と減っていく英語を学べる機会、チャンスを失っていることにもなりかねないということです。
また、日本人とばかり話していて学びのスピードが緩やかになってしまうケースの他にも、留学生の多くを占めている日本人と韓国人が英語でお互いに話している姿を頻繁に見かけることがあります。首から学校のIDを下げているためすぐに分かるわけですが、お互いが習い始めたばかりの英語で頑張って話している姿があります。
これ自体は、英語を使う機会としてとても良いと思うのですが、どうしてもお互い学び始めたばかりであったりすると発音が曖昧だったり、適当なリアクションやボディーランゲージで意思疎通を済ませてしまったりして、実践的に英会話をするレベルに達していないような様子もあります。
こういった場合、お互いの英語に対するアレルギーは取り払われる可能性があり、1つの価値として考えることはできます。しかしながらいざネイティブの英語やフィリピン人講師の英語に触れることになると、太刀打ちできないといいます。筆者が出会った1人の日本人女性留学生は、マクタン島の韓国系語学学校に入学後、現地でこういった環境を自ら脱するために現地に到着してから転校をしました。
現地にいることのできる時間は、時間的・金銭的な制約の中で選択の連続だと思います。特に「英語がしっかり話せるようになりたい!」と考えている方や、「「英語喋れるの?」と聞かれて「はい!」と自信を持って答えられるようになりたい!」というイメージを持って留学に来る方々にとっては、周りの環境に長されず自分自身の目標に突き進む、自分自身の行動が大切になってくると筆者は感じています。
■英語ネイティブ圏への慣れ