3つ目の観点としてはセブという場所をもっと詳しく見ることで考えていきます。前述のようにセブといえばリゾート!というイメージがありますが、街の中の英語レベルはどうなのか、そして英語学習の阻害要素となる娯楽などについてです。

まず街中の英語について。日本では学校で英語を学んでも、学校から下校する間に英語を使わなければ家に帰れないということはほぼないと思います。日本では当たり前ですが日本語で交通機関の情報が書かれ、道路の看板も日本語、人に道を尋ねることがあっても英語で聞くことはありません。またそれも当然のことであるかもしれませんが、そんな常識が海外では通用しません。どこに行くにも英語が必要ですし、看板も英語表記、カフェやレストランのメニューも英語です。

更にセブには電車はないので、乗れば自動的に目的地の近くに到着できるということはなく、必ずタクシーで行き先を告げて、「そこを右」だとか「もう少し先」といったように簡単であっても英語を使うことになりますね。まずこれが英語の世界で生活をするということで、日本では絶対にできない素晴らしい経験なのだと筆者は考えています。カロリーが高いお菓子を気にして購入するためにも、裏の成分表記だって英語。

ショッピングモールの館内放送やサイズの表記、お得なセールの情報だって全部英語。日本で生活していればまず考えられないことが現地では起こっています。ネイティブ圏ではなくても、英語を使う国である程度の時間「住む」という経験はかけがえの無いもので、それは平等に経験値として積み上がっていくと思います。他の東南アジア諸国と比較しても全国的に英語が浸透しており、かつ手軽に訪れることのできるセブでこの経験が得られるのは貴重です。更に利点として、留学費用が安いこと!これは何にも変えられないセブ島留学の大きなメリットです。

セブが英語ネイティブ圏でないから、街中の人たちの英語発音が云々という話はよくあるのですが、映画俳優がスクリーンの中で話すきれいな発音とはかなり異なる音であることは確かな事実です。しかし、筆者は数年前、初めて現地で英語のみの映画を見て半分ぐらいしか内容がわからなかった際、会場の人たちが大盛り上がりで全員が内容をほぼ完璧に理解している様子であったことを経験しています。

筆者は今映画を見ればほとんど全て理解でき、彼らと映画のオチや盛り上がりどころを同時に楽しむことができますが、数年前のその時には自分が「英語がわかる人間」であると勘違いしていたこと、大きなハンマーで頭を殴られたような衝撃があったことを今でも覚えています。日本人が思っているよりも遥かにフィリピンの人たちは英語の能力が高く、発音が多少ネイティブの人たちより劣っていたとしても日本人にはまず負けません。

だからこそセブにもし留学することがあれば、現地の人たちに学校で学んだほやほやの英語をぶつけてみてください。きっと相手は理解して会話ができるケースがほとんどです。ネイティブ圏でないことを英語上達ができなかった理由に結びつけるのは、セブの場合正しくないことだと筆者は考えています。

■結局は、生かすも殺すも自分次第

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