今年の8月18日から9月1日まで、単身でネパールへ渡航し、日本で募金活動やチャリティ食事会などを開催して集めた震災復興義援金を現地に直接届けました。そのことについて報告します。(寄稿・吉田 悠希・東洋大学経営学部経営学科3年)
■SNSで募金仲間集め
わたしにとって大好きなネパール。大学1年生の夏に初めて訪れてから、これまでに三度の渡航を経験し、自然豊かで穏やかな人々ばかりの魅力あふれるネパールという国のすっかり虜になっていました。
二度目の渡航から帰ってきたちょうど一ヶ月後の4月25日、ネパールで大地震が発生しました。つい一ヶ月前まで笑いあっていた大切な友人たちの安否がわからず、大きな不安に襲われました。すぐにネパールを訪れることはできないけれど、日本でわたしになにかできることはないだろうか、一晩中考え、日本で義援金を集めようと決意し、震災の起きた翌日にPray for Nepalというプロジェクトを立ち上げました。
決意はしたものの、わたしには街頭募金活動の経験がなかったため、SNSを通じて仲間を募集し、活動をはじめました。日本人にはなかなか縁のない遠いネパールという国の震災の支援ということで、仲間も義援金も多くは集まらないだろうと思っていましたが、4カ月半の活動で、共に活動する仲間は学生だけでなく社会人も参加し、首都圏以外にも大阪や新潟からも協力をもらって合計70人に、期間中に行った街頭募金活動やチャリティ食事会、店頭での募金箱設置により合計で537,662円を集めることができ、当初の予想をはるかに超える結果となりました。
震災後で現地からの情報も少なく、観光客数が減っているネパールでしたが、自分の思いに協力してくださった方々に自分の目で見たネパールの現状を報告したいという思いで、夏休みを利用してネパールへ渡航しました。
■支援はまだまだ不足
震災によって多くの世界遺産も倒壊しましたが、現地はどこも治安も乱れておらず、お土産屋さんや宿泊施設、レストランも通常営業を行っており、交通網もすべて通常通りで、観光として行く分には、まったく不自由ない印象を受けました。しかし、ネパールで起きた震災について、日本では現地の現状を知る手段も少なく、日本ではもうほとんど忘れ去られているような気がします。
情報が少ないために、観光を懸念する人や、どの程度の支援の必要性があるかわからない状況であると思われますが、ネパールの人々は皆、口を揃えてネパールに観光に来てほしいと言っていました。政府やNPO・NGOからの支援も減りつつあり、あらゆる地域でまだまだ支援を必要としている人々がたくさんいます。
支援をすることは、挑戦するのに少し勇気がいるかもしれませんが、もしネパールという国に興味があったら、まずは訪れてみてほしいです。温厚なネパール人は今日も素敵な笑顔で海外からの来訪者が来るのを楽しみに待っていることでしょう。
[showwhatsnew]