タイトル:電園復耕~大通りからそれて楽しく我が道を歩こう

なぜ人を押しのけて狭き門に殺到するのか?自分を愛し迎えてくれる人たちとの人生になぜ背いて生きるのか?
この書き下ろしは、リクルートスーツの諸君に自分の人生を自分で歩み出してもらうために書いた若者のためのお伽話である。(作・吉田愛一郎)

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◆アメリカンフットボール

日本はアリゲータードリンクの成功の二番煎じが色々出て来た。まさにスポーツドリンクブームの時代に突入したと言っても良かった。スカットパンチやスピードパワーなど色々なブランドが出現してきた。しかしどれもが流通を食品ルートに絞り、スポーツ店を対象としていなかったし粉で売る物もなかったから、ダンはライバルだとも思っていなかったが、原料供給の嫌がらせには参ってしまった。

トニーも日本に定住して色々なルートで、ブドウ糖やクエン酸を調達をしようと努力していたが、今度はアメリカのクロコダイルドリンク社から契約の更新はしないとのテレックスを受けてしまった。夏の繁忙期が終わると、北海道の食品大手のスノーマン社から電話が入り、来期からクロコダイルドリンクの日本における販売を担当するから色々教えてほしいと言って来た。ダンがトニーに相談すると「やりたい人がやればいいじゃない」とトニーは言った。「ミーはハワイに帰る。だけど日本のディストリビューションでボトルやキャンに入れたら絶対失敗よ」。

スノーマン社から交渉代理人がやって来た。顔見知りの男だった。マック、キンケードだ。ハーバード大学でスポーツビジネスを学んで日本とアメリカのベースボールの橋渡しなどやっていたハンサムでダンと同い年のユダヤ系アメリカ人だ。

こいつが色々画策していたのか・・・・ダンは全てが分かった。マックは在庫を全て引き取る事と顧客リストを全て引き渡す条件で一億円を支払うから引き継ぎをスムーズにしてくれと言ったので、ダンは「ノープロブレム」と言った。父親のトニーもダンに「ノープロブレム」と言った。3000万円をトニーに、自分に3000万円、10人いた従業員に4000万円を渡して会社を閉じた。

トニーがホノルルに帰ったのでダンはすることもなくぶらぶらしていると近くの飲み屋で知り合った大学の野球部の学生から、教えに来てくれと頼まれた。しばらくグランドに足を運んで監督の補佐の様な事をしていると、大学の職員がグランドにやって来て「大変なことになるかもしれない」と青い顔をして言った。どうやらプロ野球の関係者がアマチュアに野球を教えてはいけないらしい。ダンは大学野球に近寄らないようにした。

すると例の大学生から電話が入って、アメリカンフットボールでコーチを欲しがっているから教えてやってほしいと頼まれた。それからしばらくしてダンは東西大学アメリカンフットボールのヘッドコーチになった。

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