日本郵便は9月4日、物流の課題をIT技術で改善していくオープンイノベーションプログラムを発表した。スタートアップ支援を行うサムライインキュベート(東京・品川)と組み、ITベンチャー企業からビジネスアイデアを募集する。日本郵便が保有する郵便・物流アセットを開示し、参画企業との共同活用を行っていく。(オルタナS編集長=池田 真隆)

日本郵便初となるオープンイノベーションプラグラム

同プログラムの名称は、「POST LOGITECH INNOVATION PROGRAM」。テーマとして、「多様化するライフスタイル、地域コミュニティーにおいて、郵便・物流のラストワンマイルをテクノロジーで変革する」を掲げる。

ドローンやロボティクスなどのテクノロジーを生かした新しい郵便・物流の仕組みを実現することやAI・IoTなどの活用で、郵便・物流を管理し配送業務の効率化を目指す。郵便・物流のリソースを活用した既存分野に留まらず、新しい価値を生むBigDataの収集と実用化などにも取り組む。

ビジネスアイデアはスタートアップ企業から募集するが、取組テーマに応じて、日本郵便が持つリソースを活用できる。同社では、1日約3千万カ所へ郵便配達し、約14万台の郵便事業用車両を持つ。そのほかにも約18万本の郵便ポスト、約2万4千局の郵便局などがある。

郵便局やドローン実証実験地なども利用でき、早期に実用化を目指す。優秀なアイデアには、サムライインキュベートから450万円の出資検討、日本郵便から出資検討及びテストマーケティング費用の拠出検討、業界スペシャリストからのメンタリングがある。

同プログラムの担当者である、福井崇博・日本郵便事業開発推進室は、「ユニバーサルサービスを提供してきたが、近年物流のあり方が急速に変化している。自社だけで解決するのではなく、スタートアップ企業と共創して対応していきたい」と話した。

募集期間は10月4日まで。10月下旬に採択企業を決める。採択する企業数は3社を予定している。

POST LOGITECH INNOVATION PROGRAM

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