国際環境NGO「350.ORG」の日本支部350 Japanはこのほど、「ダイベストメント」を促進する「レッツ、ダイベスト~未来のために銀行を選ぶ1カ月」キャンペーンを始めました。ダイベストメントとは、インベストメント(投資)の反対の意味で、主に地球温暖化の原因になっている石炭・石油・ガスなどの化石燃料関連企業への投資撤退を呼び掛ける運動のこと。個人ができることの一つに銀行口座を環境に配慮した銀行へ変えることがあります。持続可能性を考え銀行口座を変えた人へ話を聞きました。
3.11をきっかけに、会社を辞め、おむすび屋さんを起業したという齋藤明美さん。人と食との繋がりを大切にしたい、日本のお米文化を守りたいという想いでおむすび屋さんを始めたそうです。幼い頃から、地雷、原発やお金の問題に対して「何か変だな」と感じていた明美さんが、ダイベストした経緯を語ってくれました。
――ダイベストはなにをきっかけで知りましたか。
おむすび屋さんをする際、お客様に、身体にいい、正しいものを伝えたいなという思いで食事の勉強をしました。勉強をしているうちに、例えば「なんでこんなものが蔓延しているの?」っていう視点から、経済や政治の問題に目が向くようになりました。そんな時に、2015年にフェアファイナンスガイドのミーティングに参加して、初めて銀行を評価するシステムがあるということを知りました。自分の銀行も見直さないといけないなと思いましたね。そのあとに、350.org Japanの活動を知る機会があり、具体的にどの銀行が地球に優しい銀行かを知りました。私の預金額なんて、たかが知れているけれども、銀行に意思表示をできるいい機会だと思いました。
――どの銀行からどの銀行へ口座を変えましたか。
メインバンクとして使っていた、みずほ銀行を、城南信用金庫に変えました。もともと持っていた三井住友銀行は、支払いが指定されている関係で、まだ使っています。
――どのような理由で銀行を変えましたか。
私の中で、世の中で許せないものの、1番目が地雷なんです。高校生くらいの時から、何て卑怯な武器なんだって憤りを感じていて。そういうところに、自分のお金が流れているかもしれないって、フェアファイナンスガイドの会議に行った時に知って。それはまずいでしょと思ったことが、ダイベストした1番大きな理由ですね。
――銀行を変えるのは大変でしたか。
いや、それがやっぱり、大手銀行って、すごく便利なんですよね。解約したいですっていうと、パパッと手続きをやってくれて。すぐに終わりました。解約の理由も聞いてくれなくて、解約理由言いたかったのに、少し切なかったです(笑)
――変えてみてどうでしたか。
気持ち的な面ではスッキリしました。自分の意思で銀行を選んで、その銀行のやっていることが自分の考えに反していないという面で、安心してお金を預けられますね。ただ、転出届とかの手続きで、大手銀行の便利さは痛感しましたね。
――銀行へ伝えたいメッセージはありますか。
もっと多くの人に、銀行がどういう風にお金を使っているのかっていうことを知ってほしいですね。皆んな、自分のお金の使い方、あり方を大事だと思っている割に、軽視しているのかなと感じます。だから、銀行側、金融の専門家が、お金ってもっと大切なものなんだよという発信をしてもいいのかなと思います。専門家の人に、正しい発信をしていってほしいです。
齋藤明美:
3月11日の東北地方太平洋沖地震をきっかけに、会社を辞め、人と食との繋がりを大切にしたい、日本のお米文化を守りたいという想いおむすび屋さんを始める。幼い頃から、地雷、原発やお金の問題に対して「何か変だな」と感じていたが、フェアファイナンスガイドのイベントに参加し、日本の銀行が武器産業へお金を流していると知りダイベストメントを決意。「おむすびは世界を救う!」FBページを運営している。
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