岩手県宮古市で、若者支援に取り組むNPO法人みやっこベースの理事・事務局長の早川輝さん。人口減少地域の教育課題を「出会う人が少ないことによる価値観のつくりづらさ」とし、地域の中高生と首都圏若手社会人のオンライン交流を企画中だ。(オルタナ総研スペシャリスト=室井 孝之)

みやっこベースの早川輝さん

早川さんは、1987年1月北九州生まれ。大学卒業後、オーストラリアで2年間過ごし、帰国10日後に東日本大震災が発生。2011年6月に宮古市に入り、災害ボランティア活動に従事する。

社会福祉協議会ボランティアセンターでボランティアコーディネートを行う。2013年12月ユースみやっこベースを設立し、地元のために活動する高校生の支援を行った。2015年9月に法人格を取得し、理事・事務局長に就任した。2018年8月、株式会社日々旅を設立し、取締役に就任した。

早川さんは、宮古市の今とこれからを考える「高校生サミット」、宮古市の魅力を再発見する高校生、大学生向けの「地元修学旅行」、高校生による「みやっこHigh Schoolラジオ」などの企画・運営をしてきた。

早川さんは、人口減少地域の教育課題と解決策についてこう考えている。課題は「3つの機会の少なさ」と断定。

3つとは「選択肢の少なさ(部活動の種類など)」「多様性の少なさ(職業や価値観など)」そして「出会う人の少なさ(大学生、主体的に生き生きと働く若者)」だ。

ロールモデルが少ないため将来像を描きづらく、自分のモノサシ(価値基準)をつくりづらいと語る。

そして、変化の激しい時代を生きる子どもたちが、社会の中で活躍できる資質・能力を育成すること、主体的に学び続ける人材の育成が何よりも重要だと強調する。

そのためにアイデアを練っているのが、地域の中高生と首都圏の若手社会人をオンラインでつなぎ、仕事やキャリアの話で交流する試みだ。

「オンライン交流会(仮)」により、地域の子どもには学ぶ意味を考える機会となり、首都圏の若手社会人にとっては、社会人としてのあり方を考える機会になると抱負を語った。

「地域で暮らす大人や首都圏で働く大人など、様々な生き方や価値観に触れることで、子どもたちが自分らしく生きていくきっかけをつくりたい」と締めくくった。 

*東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)が開いた「JCNツアー2018『答えは東北にある.』で出会った社会変革者を紹介していきます。


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