2021年の年明け、日本列島は強烈な寒波に襲われ、日本海側の北陸地方も記録的な大雪となりました。私たちカエルデザインの活動拠点、石川県の金沢市も1月9日から11日の3連休中の降雪で60センチを超えました。金沢で積雪が60センチを超えるのは2018年の大雪以来です。ちなみに2018年の積雪は87センチでした。

2021年1月10日、金沢市内 筆者の自宅付近

降雪が3連休中だったので通勤通学の混乱は少なかったのですが、北陸自動車道が富山と福井で通行不能となり、物流がストップ。スーパーの棚の商品が少なくなったり、商品の発送ができなくなったりと、様々な影響が出て、13日現在でもその影響は続いています。僕も除雪作業の連続で全身筋肉痛です。

2018年の大雪の状況。2018年2月22日、金沢市犀川の雪捨て場で筆者撮影

60センチとか、87センチの積雪で豪雪、大雪で大混乱、大騒ぎとなっているのですが、今から57年前に史上まれに見る豪雪に襲われました。後に38豪雪と呼ばれるもので、1962年(昭和37年)12月末から1963年(昭和38年)2月初めまで、約1か月にわたり北陸地方を中心に東北地方から九州にかけての広い範囲に多大な損害を与えた記録的な豪雪です。死者228名・行方不明者3名、住宅、鉄道などにも大きな被害を与えました。

実は、僕はこの38豪雪の年の1月26日に富山県氷見市で生まれました。氷見の積雪はこの時355センチ!とんでもない降雪量です。1月下旬は最も積雪が多かった時期(自衛隊の派遣要請は1月30日)で、母の実家の婆ちゃんが、産婆さんの家まで苦労して雪かきをして人1人ようやく通れる道を作って産婆さんを連れて来たっていう話を何度も聞かされたものです。

さて、これだけ雪が降ると、地球が温暖化していて危機的状況にあると言われているのに、どうしてこんなに雪が降るのだろう?地球温暖化なんて嘘で、実際は寒冷化しているんじゃないのか?と思う人もいると思います。それが多分素直な反応ですよね。

二酸化炭素(CO2)を主とした温室効果ガスの排出が続くと地球温暖化は避けられない。温室効果ガスが野菜を育てる温室のように、太陽から届いた地面の熱を溜め込み、地球全体の平均気温が上昇することが地球温暖化の仕組み。

18世紀半ばから19世紀にかけて起こった産業革命以降、石炭や石油などの化石燃料を燃やして二酸化炭素(CO2)を大量に排出するようになってから現在までに、すでに地球の平均気温は1.2度上昇してしまいました。地球温暖化を食い止めるための国際協定「パリ協定」では、これ以上の悪化を抑えるために気温上昇を1.5度未満にとどめるための行動を世界各国に求めています。

「温暖化」という言葉の印象から、どうしても気温の上昇だけに注目しがちですが、実際には様々な気象現象が引き起こされるようです。

その1つが一部地域での記録的な大雪。温暖化と大雪という一見相反することがこれから頻繁に起きると考えられています。

昨年12月、関越自動車道で最大2100台もの自動車の立ち往生が発生したことは皆さんの記憶に新しいと思いますが、気象庁によると、この12月14~21日の大雪は、日本海の海面水温が平年より1~2度高いために水蒸気が増えて、そこに日本列島に近づいた強い寒気が多くの水蒸気を取り込んだことなどが原因だと指摘しています。

ただ、地球温暖化が日本全国に大雪をもたらすわけではなく、大陸側から来る寒気が太平洋側に流れにくくなることで、東京など太平洋側では雪が降る機会は減少すると言われています。

一方で、日本海側や本州の山間部では、地球温暖化により大気中に増えた水蒸気が雪として降るために、数十年に1度クラスの大雪が増えると考えられています。

大雪だからと言って、地球温暖化は確実に進んでいるようです。私たちは、可能な限り温暖化の原因となる二酸化炭素を出さない生活にシフトしていかなければならないのです。