地球温暖化や海洋プラスチック問題など、地球環境が急速に壊れていく時代にあって、微力であっても海を海洋プラスチックから守りたい。そしてその活動を、様々な障がいを持つ人たちが夢と誇りを持って仕事をし、未来に向かって希望を持って生きることにつなげたい。そんな思いで始めたカエルデザインのアップサイクルアクセサリープロジェクト。スタートは金沢の専光寺浜からでしたが、SNSなどを見ていただいて、全国から海洋プラスチックを送っていただけるようになりました。

2019年の9月 金沢の専光寺浜で、リハビリ型就労スペース「リハス」の仲間と

今では北海道から沖縄まで14都道府県から、クリーンビーチ活動などで回収していただいた海洋プラスチックを金沢に送っていただき、1年間でその総重量は約50キロになります。

コロナ禍ではありますが、お陰様で私たちの活動、ブランドに共感していただき、お取り扱いいただくお店も少しずつ増えてきました。

2020年11月 上野マルイさんでの展示販売

社会的意義があることは必ず共感され、広がって行く。そのことを信じてスタートしましたが、それは間違いない無かったなと確信できたこの1年でした。僕たちに大事なことは、ブレないこと。共感していただいた皆さんの思いを、気持ちを裏切らないこと。そのことを強く感じた2020年でした。

さて、この先、カエルデザインはどこへ向かうのでしょうか?

先日、新聞記者さんに取材していただいた時に、最後の方で「カエルデザインを今後どうして行きたいですか?」という質問を頂きました。以前にも他の人から同じことを訊かれたことがあって、「年商何億にしたいとか、海外に進出したいとか、どんな事業プランを考えていますか?」みたいな質問だったのですが、正直な僕の答えは、「売上の計画、数字的な目標は全くありません」と言うものでした。

世の中の他の事業家の方がどうなのか、僕はよく知らないのですが、1年間にこれだけの売上を目指す、2年後、3年後、10年後はこれだけみたいなことは一切考えていません。と言うか、考えることができないのです。

カエルデザインというブランド、作る商品が社会に必要とされるものであるなら、もっと言えば未来の地球のために存在しても良いブランド、商品であれば、皆さんに共感していただいて、その結果として売れる。そうでなかったら売れない。それだけのことなのだと思っています。

地球温暖化、海洋プラスチック問題、、、。人類存亡の危機だと言う人もいます。先日、妊婦の胎盤からマイクロプラスチックの粒子が見つかったとの研究が発表されました。マイクロプラスチックの害は魚や海鳥やイルカやクジラなどの海洋生物だけでなく、人間にも及び初めているのだと思います。

海岸はマイクロプラスチック製造装置だと言う専門家がいらっしゃいます。海岸に流れ着いた大きなプラスチック片は太陽の熱や紫外線で劣化し細かくなってマイクロプラスチックとなり、それが海に流れ出ます。資金も技術も無い私たちには海に流れ出てしまったマイクロプラスチックを回収することはできませんが、海岸に流れ着いた海洋プラスチック、マイクロプラスチックを拾うことはできます。老若男女、障害のある無しに関わらず海岸に行くことさえできれば誰でもできます。

障がいが無くても稼ぐのは大変なことですから、障がいがあっても稼ぐのは至難の技です。私たちは1つでも1グラムでも多くの海洋プラスチック、マイクロプラスチックを減らしたい。そしてそれをアップサイクルして販売することで、障害を持っていても夢と希望を持って生きられる未来を、多くの仲間と一緒に作りたい。未来の地球をより良くカエル。障がいを持つ人たちが希望を持って生きることができるようにカエル。僕たちはそう願っています。

皆様、1年間ありがとうございました。そして来年が少しでも良い年になりますように。コロナ禍の最前線で戦う医療従事者の皆さんに感謝して。