高校生が小学生に向けてSDGs(持続可能な開発目標)をテーマにしたオンライン教材をつくる取り組みが行われた。有志の高校生約10人が集まり、2日間で4本の動画を製作した。高校生たちは、「問題とされていない領域にこそ、SDGsの問題がある。SDGsの問題を身近な範囲から考えていきたい」と話した。(オルタナS編集長=池田 真隆)

i Standが開いたイベントに参加した高校生たち

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” open=”no” style=”default” icon=”plus” anchor=”” class=””]この取り組みを主催したのは、「i Stand」という高校生団体。オンライン教材をつくるイベント「世界一受けたい高校生授業を創ろう!」を企画して、SNSなどで高校生に参加を呼び掛けた。

同イベントは6月21日と22日に開かれ、全国から約10人の高校生が参加した。各自が自宅からオンラインでつながり、教材の企画を話し合った。

小学生向けに作ることを決め、テーマは「SDGs」にした。SDGsに決めた理由について、i Standの小林桃子さん(広尾学園高等学校3年)は、「Youtubeには、小学生向けの学習動画は多くあったが、SDGsを学べる動画は少なかった。保護者にも知ってほしかったのでSDGsに決めた」と話す。

2組に分かれた高校生たちは、SDGsの17目標から気になるテーマを選び、「ジェンダー」と「環境と教育」に決まった。動画の構成を話し合うなかで、「男子がぬいぐるみを欲しいっていったらおかしいと思う?」「お父さんがスカート履いていたら嫌だよね」「好きなことに性別は関係ないよ」など、深い議論がかわされた。

小学生にSDGsを伝えるために、「SDGsに関する内容を身近な視点から伝えることを重視した」(小林さん)と言うように、ランドセルが赤なのは女の子、青や黒などは男の子という固定概念をあえて強調した小学校をテーマにしたり、自身の好きなものに対して嫌なことを言われた子の気持ちを「夢をみる」ことで疑似体験できるような内容にしたりした。

小林さんは、SDGsを若年層に伝えるためには「SDGsに関することを漠然とした問題として見るのではなく、まずは身近な内容から考えることが大切だと思う」とする。 「たとえば、当たり前に過ごしている学校でも小学生なら女の子は赤のランドセル、男の子なら 暗い色のランドセルを持っている事が『普通』であるとみなされ、学校に行けることが日本では『当たり前』になっている。人々が問題と思っていないところにSDGsの問題は隠れて存在していると思う。まずはSDGsの問題がどこにあるのかを近い範囲から考えることが必要だと思った」と述べた。

高校生たちが製作した動画はYoutubeに配信されている。詳しくはこちら