江戸時代から続く林業家を営む速水亨代表が率いる速水林業は、日本で初めてFSC(森林管理協議会)の森林管理認証を取得したことで知られている。

FSC森林認証は適切に管理された森林を認証する制度で、世界的な森林減少・劣化の問題と、環境に配慮した製品を購入したいという消費者の意識の高まりを背景として生まれた。OA用紙や企業が発行するCSR報告書などに認証マークが付いていることで知っている人も多いのではないか。

速水林業が森林認証を取得したのは2000年のこと。1997年頃からISO14001を森林管理に適用する国際会合に携わった速水代表が、海外では林業経営体がFSCなどの認証を取得している現実を知り、また、世界各国の人工林の森林管理を研究し、自身の森に取り入れてきたという背景もあり、国内第一号の認証を取得するに至った。

速水代表は「毎年2000人から3000人の見学者を受け入れているので、質問を受けるのは慣れていましたが、FSCの審査に来た外国人の審査員は視点が違いました。社会学的視点や生態学的視点から持続可能な森林経営ができているか評価されます。出てくる質問が民族間の平等や世代間の平等のことなど目から鱗でした」と当時を振り返る。

森林管理認証を取得したことは、例えば除草剤を使わなくても済む手法を編み出すなど新たな森林管理の手法を考える上で、大いに役立っているという。速水氏が代表を務める株式会社森林再生システムでは毎年、「林業塾」という企画を行っている。速水林業の山林をフィールドにして森林と林業について学ぶ講座だ。林業家が学びに来るケースも多いが、学生は割引価格で参加できる。

環境保護の視点だけでは森林経営は成り立たないという速水氏。人間が必要なものを供給するためにバランスを取っていくという速水流の林業経営を学ぶチャンスがそこにはある。(オルタナS特派員 加藤千博)








会社名 速水林業
住所 三重県北牟婁郡紀北町海山区引本浦345
業種 山林業
HP http://www.re-forest.com/hayami/index.html


◆採用情報

現在、定期的な採用は行っていない

電話番号 0597-32-0001
メールアドレス hayami_forest@ztv.ne.jp