東日本大震災から1年後の3月11日。復興支援団体SET(東京)主催で被災
支援イベント「Re:Start」(リスタート)〜今までとこれから歩む1年〜が開催された。
会場には学生を中心に約60名が集まった。復興支援団体SETとは、震災後の3月13日に都内の学生を中心に設立された非営利組織である。 4月から毎月、岩手県陸前高田市広田町への支援活動を行っている。
今回は、同団体が一年間の被災地支援活動を通して経験した出来事や、現地の方から受けた想いを、一人の大学生になぞらえたストーリーにて紹介し、参加者が疑似体験しながら振り返り、これから何ができるのかを話し合った。
ワークショップでは、被災地支援活動を通して現地の方から感謝されたことに対して、「若者が復興支援活動に参加する意義は何なのか」また、「若者が復興に向けてできることは何があるのか」がテーマに挙げられた。
■「元気づけること」から、「自分たちなりの復興をみつける」まで
若者が復興支援活動に参加する意義はどこにあるのかという質問に対しては以下の解答がでた。
・被災地には高齢者が多い、だから若い人の元気が足りない。そこを補える。
・支援活動を通して日本の課題を知る事ができる。今後の日本を担っていく人材になるために必要なこと。
・作業をしたあとに感謝される。普段よりも相手の気持ちを思いやることができる。
・復興の最後まで携わることができる。後世に伝えるためにも若者が参加する意義は大きい。
また、若者たちが復興に向けてできることは何があるのかという質問に対しては以下の解答がでた。
・被災地の人たちの話を聞く事が大切な経験になる。
・現地の現状を知り、自分たちなりの復興を見つける。
・周りの友達に伝えて、あと一歩を踏み出せない人をサポートする。
・若者が復興に携わる意義を感じた人から、同世代の若い人たちを巻き込んでいく。
・海外の友達に伝えて、日本の現状を共有して、被災地へのメッセージをもらう。
ワークショップ後、当プロジェクトリーダーの植松将太(国士舘大学法学部4年)さんは「震災当初の想いを大切にすること・一人ひとりができることを忘れないこと・周りのメンバーを大切にすることの3点を伝えて、風化は加速していくと思っているが、ここにいるメンバーが今後の復興を担っていく同志になる。手をつなぎながら歩んでいってほしい」と述べた。
参加した学生からは「今までは東北のためや、被災地のためにという漠然とした想いだったが、今回話し合って被災地で生きるその人のために活動していくことの大切さを感じた」(早稲田大学文化構想学部3年土田晃平)
「祖父母は今でも陸前高田市にいる。今後どういう貢献ができるかはわからないが、何かしらの社会貢献をしていきたい」(今春法政大学社会学部進学予定田中勇輝)
と述べた。
震災から一年、真剣に復興と向き合う若者たちの動きに期待したい。(オルタナS特派員=池田真隆)
復興支援団体SET