伊藤忠商事は3月28日、同社のオリジナルキャラクター「いとうチュウ太」のLINEスタンプ(120円)の販売を開始した。スタンプの収益と同額を同社がマッチングし、青少年への読書支援を行う伊藤忠記念財団へ寄付する。(オルタナS編集長=池田 真隆)

「いとうチュウ太」のスタンプデザイン

「いとうチュウ太」は伊藤忠商事のキッズサイト「いとうチュウ太の大冒険」のナビゲーターとして2015年4月に誕生した伊藤忠商事オリジナルキャラクター。このLINEスタンプは日常のコミュニケーションで活用できるものに加え、同社のコーポレートメッセージや、「朝型勤務制度」や「脱スーツ・デー」に関連するワードが入ったデザインもあり、同社らしさを表現した。3月28日に販売を開始し、LINEストア、LINEスタンプショップで購入可能。(40種類1セット:税込120円)

寄付先の伊藤忠記念財団(理事長:小林栄三・伊藤忠商事会長)は、伊藤忠商事が1974年に青少年の健全育成を目的に設立した。2012年1月に公益財団法人の認定を受けた。

子どもたちに読書啓発活動を行う団体・個人へ助成金を出す「子ども文庫助成事業」と、通常の本では読書が困難な障がいのある子ども向けに製作した電子図書「マルチメディアDAISY」を提供する「電子図書普及事業」を行う。

毎年1回、子ども文庫助成の贈呈式を開催している

子ども文庫助成事業では、これまでに助成した団体数は述べ2255件、総額は約10.7億円に及ぶ。子どもたちの読書啓発に関わる草の根活動の支援として、地域の子どもたちに対し読書啓発活動を行っている民間団体及び個人を対象に助成を行っている。

時代の変化に対応しながら、同財団が選書した児童書100冊セットの助成、入院中の子どもなどへの読書支援のプログラムを加え充実を図ってきた。また概ね20年以上、子どもの読書啓発活動に貢献されてきた個人への顕彰である、「子ども文庫功労賞」の発表も行っている。

岩手県大船渡市赤崎町字佐野地区にあるログハウス「なかよしブックハウス」。伊藤忠記念財団が寄贈した

障がいがあることで、本を読むことが困難な子ども向けに「マルチメディアDAISY」と呼ばれる電子図書を製作している。マルチメディアDAISYとは、パソコンやタブレット端末などで、読書を楽しむことができる電子図書規格の一つ。

パソコンなどで肉声による読み上げと速度調整、文字の拡大、読み上げている文節の色表示など、個人の障がいの状況に合わせて読書を楽しむことができる。

マルチメディアDAISYの作業風景。音声データと、文章部分を適合している

その電子図書を「わいわい文庫」と名付け、全国の特別支援学校や公共図書館などに無償で配布している。作品数は2018年3月末で、422作品。寄贈先は年々増え、2012年度は572ほどだったが、2017年度はその倍となる1208カ所に及ぶ。

特別支援教育を受ける子どもたちは年々増加しており、2016年5月の文部科学省調査では45万5971人。これは1994年の13万1511人と比べると3倍以上。一人ひとりの障がい特性に合った様々な読書スタイルの提供が求められている。同団体では、読書を通して、青少年の健全育成に貢献していく。

「いとうチュウ太」ののLINEスタンプの売上により、全国の、絵本を必要としている子どもたちの読書支援が進むことが期待される。


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