東日本大震災の大津波によって壊滅的な被害を受けた図書館は少なくない。そこで、今なお大量の蔵書不足の問題を抱える図書館を復興させるプロジェクトが、活動を継続している。
インターネット古書店であるバリューブックス(東京・杉並)では、「陸前高田市図書館ゆめプロジェクト」と称し、家庭や勤務先などで読み終えた書籍を一般市民から寄付してもらい、査定を行い、 その買取金額相当を図書館再建として「陸前高田市立図書館図書購入基金」に入金している。
公益社団法人シャンティ国際ボランティア会(東京・新宿)では、岩手の沿岸部に本を届ける「いわてを走る移動図書館プロジェクト」を継続している。
移動図書館車に本を積んで、岩手県陸前高田市、大船渡市、大槌町、山田町の仮設住宅を中心に巡回し、本棚と本を仮設住宅の集会場などに設置・入れ替えを行うものだ。
ガソリン代、お茶の準備など、移動図書館が一日活動をするのに約1万円のコストがかかるため、運営費や本の購入費にあてる募金を受け付けている。この活動には、バリューブックスと同じ仕組みでブックオフコーポレーション(神奈川・相模原)が古本の寄付を受け付けている。
一般社団法人みんなのとしょかん(栃木・足利)では、「みんなのとしょかんプロジェクト」を行っている。震災や自然災害などで移住を余儀なくされた地域や過疎化が進む地域に、コミュニティを醸成できる場所として図書館を設置して自立を進める。
これまで、宮城県石巻市、南松島市、亘理町、岩手県大船渡市などで活動してきた。今後は宮城県塩竈市・宮城県山元町・岩手県陸前高田市・福島県南相馬市にも設置予定だ。
震災から1年3カ月経ち、被災地支援団体の多くは、活動を継続させるための資金がかつてほど集まらないという難題を抱えている。(今一生)
●陸前高田市図書館ゆめプロジェクト
http://www.books-rikuzen.jp/