京都は古くから、良質の水に恵まれた土地である。豆腐や酒、着物をつくることにも使われ、その恵まれた水が、京都の素晴らしい文化を生み出してきた。

今回は京都三名水の一つとされる、「染井の水」を持つ梨木神社を訪ねてきた。

梨木神社


境内に向かう途中に、「染井の水」が湧き出る井戸がある。この水は、文徳天皇の皇后である明子の方の里御所跡にあったものであり、古くは宮廷御用の水として使われていた。

井戸のほうを見ると、平日ではあったが沢山の人が並んでいた。多くの人が5リットル程は持ち帰っている。手で持って帰る人もいるが、大抵バイクや車で来て、積んで帰るようだった。

果たして、そんなにも美味しい水なのだろうか。一見したところ、何の変哲もないただの水である。特別な匂いもしない。実際、筆者も一口飲んでみたが、とりたてて特徴があるわけではなかった。

そこで、近くにいた人にいろいろとお話を伺ってみた。なんと、10年以上毎日ここの水を飲んでいるらしい。一体何が普通の水と違うのだろうか。


―――この染井の水は、毎日こんなにたくさんの人が汲みに来るのですか。

:そうですね。私も10年以上通っていますが、いつもこんな感じですよ。人が途切れるというのを見たことがありません。この前なんかは、金沢県からきている方もお見かけしました。

ただ、規定で一回に汲む量は5リッターまでと決まっているのに、10リッターくらい組む人はどうにかしてほしいですね。

―――それはすごい量ですね。何故そんなに必要なのでしょうか。

:その人は、飲食店の経営者なのですよ。お客さんに出すお水は全て、この染井の水を使っていると聞きます。そのため、ご本人が汲みにきたり、アルバイトの子を汲みにこさせたりしていますね。一日にいったいいくら使っているのか見当もつかないです・・・。

―――なるほど。ところで、この水、何か効果があるのでしょうか。

:いいえ。普通の水だと思います。でもなぜか飲んでしまうのですね。夏なのに、井戸水だからすごく冷たくておいしいし、麦茶にして飲むと、さらに美味しさが増します。

あとはなんというか、水道水ってあんまり綺麗なイメージがないじゃないですか。そこだと思いますね。ここの水を飲むほうが、きっと体にもいいと思いますよ。




今回、京都三名水の一つである染井の水を訪ねたが、その味はなんら特徴があるものではなかった。ただ、夏であるにも関わらず新鮮さと、冷たさがそこにはあった。冷蔵庫で冷やした水ではなく、天然の冷たさを持った水を味わってみるのも、いいかもしれない。(オルタナS関西支局特派員=小川陽平)


・梨木神社公式HP
http://www.nashinoki.jp/index.html