——会議への事前準備はしますか。

根津:基本的にはしません。会議は日々動いていくビジネスのなかでは、周到に準備することは難しいこともあります。もちろん、会議内容がある程度決まっていてアイデアを準備してくるように言われれば準備はします。しかし、今のコミュニケーションではその場力が求められます。その場で、瞬発的に価値を出せるかどうかです。

相手の気分や性格なども読み、アウトプットを出すことが必要な場合もあります。

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——会議で、相手の考えを上手く引き出すにはどのような工夫をしていますか。

根津:例えば、会議で敵対心を持っている人がいるとします。敵対心の根底にあるのは、恐怖心から来る自己防衛なのです。つまり、不安を抱えているのです。

不安の一例としては、「ポジションが危うくなる」、「自分の仕事が増える」、「自分のアイデアが採用されなくなる」、など利己的な理由が多いのではないかと思います。

まずは、不安はないと伝えます。あなたのアイデアを生かして、チームとしてのアウトプットを最大化するスタンスをとることをわかってもらうのです。

私はデザイナーですが、私以外にデザイナーが出る会議でファシリテーションをするときには、デザイナーのような絵は描かないようにしています。漫画のような絵を描きます。なぜなら、デザイナーの立場を攻撃してしまう場合があるからです。

また、不安を持っている人の意見をしっかりと聞くことも心がけています。話をしていると、本人も漠然とした不安を抱えているので、頭の整理がついてきます。一度ちゃんと飲み込んであげると、相手の気持ちが和らぎます。敵対している人は一番味方になってくれる可能性が高いと思います。

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