今回の「あそび・ルネッサンス」を終えて強く感じたことは、ただ単純に、子どもが屋外で遊ぶ経験を増やせばいいという話ではなく、大人も一緒に変わっていかなければならないということです。

「遊びって、本来たぶん自分の心の世界を表出すること」という意見が会場から出てきました。心の世界を表出することで、子どもが唯一無二の自分だけの世界を展開して、遊びを生み出していく力にもなっていく。ただし、その力を奪ってしまっているのが私たち大人です。

公園に行けば、禁止事項ばかりで、子どもは自由に遊ぶこともできません。ボール遊びもできず、「穴を掘るのはいけないのか」と言われた方もいたそうです。

子どもが自由に壊せる世界がなければ、自由に生み出せる世界もなくなってしまう。そういうことも非常に重要な問題提起だと思います。

長野県の肥後守を子どもに持たせる小学校の話も出てきましたが、私たちは何から始められるのか、ということをより具体的に話して、行動を起こしていく必要があります。

その時に、未来に着目していくことを忘れてはならないと思います。ただ昔の遊びは身体をたくさん使っていたから良かった、という話ではなく、「子どもにどんな風に育ってほしいの?」という未来への共通認識が大切ではないでしょうか。(寄稿・環境パートナーシップ会議 石本貴之)

1 2 3 4 5