約60万人のエントリー者には、その後30秒のビデオ応募が求められた。提出されたビデオ数は約35万本。その中から、いっきに150名(6職種各25名)に絞られたのだ。

井上さんはイベントレポーター(Chief funster)にしか応募していない。つまり、そのビデオ審査で25名のうちの一人に選ばれないといけなかったのだ。

「最初の『3秒』。これだけが勝負だと思っていました」と、井上さんは言う。約35万本ものビデオ応募があった中で、印象に残るようなものでなければ勝ち目はない。そう思った井上さんは、始めに「?」と思ってもらえるような言葉を入れることに決めたのだ。

考えた結果、「Advertising Woman(広告女)」をビデオの最初に出し、印象付けることにした。ネイティブの人が見て、「?」となるよう仕掛けたのだった。狙いどおり、井上さんは次のステージへの切符を手にした。(井上さんの動画はこちら

井上さんは、英語ネイティブではない。他の候補者に比べてハンデがあるようにも思えるが、「このお仕事は『全世界』に発信なのだなぁと考えると、要は非英語圏や英語を知らない方々すらも発信先の対象者になる。その中で私ができるのは、『英語』という言語の枠を取っ払った『表現』であると思っています」と、語った。

「表現」は、まさに井上さんの得意分野だ。「映像、アニメーションなど、言語を超えた表現の仕方で、全世界に発信していきたい」と話す。既に、クリエイティブチームを結成し、オーストラリア広告となるものを作成中だという。

今回の応募で、「人に恵まれているということを、こんなにも強く感じたことはない」と語る。一次審査が通った直後、真っ先に会社の同期がプロジェクトチームを作ってくれ、住民のみんなも対策会議を開いてくれたのだ。また、海外に住む二人のお姉さんたちも、離れていながらも協力してくれているという。

「今こうして色々な方々と一緒に活動できていること自体が、本当にまたとない機会で、かけがえのない時間。そのことを、日々噛みしめながら走っている毎日です」と話す。

みんなの支援が、運命を変える

現在イベントレポーターの職で残っているのは25名。二次審査で、3名に絞られる。二次審査では、「どれだけ拡散したか」「公人・セレブの方々の推薦状を獲得できたか」などが審査基準となる。

日本人唯一の候補者である井上祐巳梨さん。SNSなどの支持が重要視される、今回の二次審査。締め切りまで残り数日。あなたの応援が、彼女の運命を大きく変えるかもしれない。井上さんが「世界最高の仕事」を獲得できるよう、応援したい。(オルタナS編集部員=大森清香)


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