PROFILが始まって3年間。「各組織が同じ方向を向いて協働していく連携体制を構築できたこと」「一村一品運動の考え方ややオンパクを地場産業振興の手法として取り入れ、それらを通じて地域住民に当事者意識やコスト意識を持たせることができたこと」「地域資源を再発見し、商業化に繋げられたこと」がPROFILにおける大きな成果だ。PROFILは西部3県のみを対象にしているが、この成果を見て他の4県が興味を示しているという。この合計7県は、グアテマラ全土の約3分の1を占めることも意味する。
また、トトニカパン県のパシトカという小さな村では、PROFILから受けた地場産業のコンセプトを基にして、外部からの支援に頼ることなく、自分たちでオーナーシップを持って基本的にすべてのことを実践している。そうした意味では、PROFILのモデル的な村だと言える。ステビア(人工甘味料)とトマトの栽培、さらに観光業を事業の柱としているが、それも自分たちで決めたことだ。以前は観光客がこの村を訪れることはなかったが、活動を始めて1年半の間に、国内外含め300人もの観光客が村を訪れたそうだ。
■持続可能な発展のために
PROFIL自体は2013年9月をもって終了するが、プロジェクトの実施に関与したグアテマラの各組織は、地元の連携を更に盛り立てて各地の地場産業の振興に貢献することが期待されている。彼らを支援するためにJICAができることは、地場産業振興に関する様々な取り組みを政策としてまとめ上げる後押しをすること。
「グアテマラでは4年ごとに政権交代があり、その度にこれまで築き上げてきた成果がひっくり返されてしまうんです。しかし、政策としてきちんと制定してしまえば、たとえ政権が変わろうと後ろ盾とすることができる。PROFILでやってきたことを5年、10年と残せるかどうかは、私たちが現在策定を支援している政策次第なんです。JICAとのプロジェクト期間が終了しても、たとえ政権が変わっても、グアテマラ経済が持続的に発展していけるようにしていきたい」と内河さんは語る。(オルタナS特派員=清谷啓仁)
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