2011年のある日、変化は突然訪れる。スパニッシモの両氏がCANOを訪問し、グアテマラに雇用を生み出すために、オンラインのスペイン語会話サービスを一緒に始めようというのだ。

「2人の日本人が突然来て、一緒に仕事をしようと言ってきたときには本当に驚きました。最初はどうするか正直迷いましたが、先生たちに少しでも安定した仕事を提供できるようになるならと、スパニッシモと共に働くことにしました。何より彼らの本気さが伝わってきましたし、この人たちと一緒ならきっとできると確信しました」とマリア校長先生は話す。

サービス導入から1年余りが過ぎ、CANOには確実に変化が訪れつつある。オンラインであれば観光シーズンに左右されることなく、先生たちに安定して仕事を提供することができる。

学校の運営状況も改善されてきたので、先生たちにより高い給料やボーナスも払えるようになった。さらに、スパニッシモで働く先生に対しては、医療サービスを低額で受けれる社会保険(グアテマラでは国民の約10%が加入しているに過ぎない)も導入した。こうして先生たちにより安定的な環境をつくれたことは大きな変化だ。

「安定した給料を毎月貰えることで、家庭に少しでもお金を納められる、ご飯を買える、家賃を支払える。当たり前に聞こえるかもしれませんが、それはグアテマラの人たちにとってはこれまで夢のような話でした。当たり前のことを実現できることで、経済的にはもちろんですが、学校も先生たちも未来に目を向けることができる。それは私たちにとっても、この国の将来にとっても本当に大切なことなんです」と彼女は語る。

未来に希望を持つ

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