グアテマラにはスペイン語学校が乱立しており、その多くが経営の危機に直面している。根本的な原因としては、観光業に依存したスペイン語学校業界の構造にある。生徒のほとんどを観光客に依存していることから、閑散期には繁忙期の2割近くまで仕事が減ってしまう。イングリッド先生もその例外ではなかった。
「1年を通して仕事が不安定で、当時は少しでも安定した仕事環境をつくりたいという一心で働いていました。その一方で、閑散期になって生徒さんがいないときは、生徒さんが来ることを信じて家でじっと待機するしかありませんでした。収入は減っても、毎日のご飯、今月の家賃などの支出は変わりません。夢はもちろんありましたが、毎日のやりくりに精一杯で、自分のこれからを思い描く余裕などありませんでした。夢と現実が違いすぎて、夢というものは考えても叶えられないものだと思っていました」と彼女は当時を振り返る。
■未来ともう一度向き合う