2011年、スパニッシモの両氏がCANOを訪れたとき、イングリッド先生は同校を辞めることになるかもしれないことを、校長先生に相談していた。自らの生計を立てるため、より安定した仕事に就くためだ。スペイン語教師としてこれまで何年も頑張ってきた彼女にとっては、苦渋の選択だったに違いない。

「スパニッシモの2人からオンラインのスペイン語会話サービスを始めるということを聞いて、このチャンスに賭けてみたいと思いました。このままではスペイン語学校に未来はないのではないかと悩んでいましたが、観光業に左右されないオンラインサービスをうまく導入できれば、私もスペイン語教師としてのキャリアを諦めなくてもいいかもしれないと思いました。うまくいく確信はありませんでしたが、このサービスの可能性を一旦信じてみることにしたんです」とイングリッド先生は話す。

サービス導入から1年余りが過ぎ、彼女の人生は未来に向けて少しずつ動き出した。閑散期には自宅待機を余儀なくされていたが、いまは毎日8時間以上働けており、時間がいくらあっても足りないくらいだという。生徒との授業を通じ、仕事に対する意識の変化も芽生えてきた。

「毎日安定して仕事があるというのは、まず何よりの大きな変化です。生活が安定してきたからこそ、諦めていた未来ともう一度向き合うことができました。将来は、家族の住む家の隣に自分の家を建てたいと思っていて、夢が膨らみます。また、毎日10人近くの生徒さんと触れ合う中で、自分たちがこんなにも必要とされているのだと勇気づけられました。生徒さんの熱心さが伝わってくるからこそ、もっと期待に応えたいという想いで授業に励んでいます」と彼女は語る。

1日1日が大切に感じられる

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