このような問題意識を抱いた若手女性たちが次々とエシカルファッションブランドを立ち上げ、百貨店の催事やファッションショーでもフォーカスされ始めた。今年9月に開催される、日本最大の展示会「ルームス」では、エシカルファッション専門エリアが初めて設置され、2009年に誕生したエシカルジュエリーのHASUNAは、今年3月から新宿伊勢丹本店1Fに常設店をオープンしている。
ハスナの白木夏子代表は、「一人でも多くの人たちに、エシカルを考えるようになってもらいたい。経営者の方には、素材がどうような過程で調達されているのか、倫理観を持ってトラッキングしてほしい。そして、消費者も商品を購入する際に、どのように製造されてきたのか倫理観を持って見てほしい。企業や消費者がエシカルな価値観を持てば世の中は変わっていくはず。少なくとも発展途上国での、搾取労働・児童労働は減っていく。幸せの象徴である指輪に犠牲はいらない」と話す。
■一般女性へアプローチ
エシカルの流れを加速させるには、「女性がキーワードになる」と大谷代表は話す。しかし、エシカルなライフスタイルを提案するが、前面に出しすぎることはしたくないと言う。「あくまでも女性が自らの豊かさを大事にした上で、社会との繋がりや環境への影響に少しずつ興味を持てるような、微妙なスタンスに挑戦していく」(大谷代表)
その理由として、「一般女性に届かせるため」と話す。「エシカルの認知度はまだ高くないので、言葉を知らない人が後から気付けるように編集している」。タレントなどのインタビューを通して、エシカルを伝えていくという。
同ウェブマガジンはコンテンツを強化し、今年10月にグランドオープンを迎える。通常の記事とは別に、特別企画として、ピープル・ツリーのサフィア・ミニー代表、ファッションジャーナリストの生駒芳子氏の連載も行われる。
今後は、エシカルな活動をする一般読者を公募し、編集部の審査を通過した人には、同マガジンへの寄稿や、編集企画を組むことができる権限が与えられるようになるという。
大谷代表は「エシカルの情報は需要過多になっている。エシカルの情報を求めている人には満足してもらえる内容に、かつ、知らない人にも楽しんでもらえる媒体を目指したい」と話す。(オルタナS副編集長=池田真隆)
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