「途上国の子どもたちに平等な教育機会を創出したい」という思いから始まった高濱さんの活動は、日本の被災地を含め、アジア・アフリカなど9カ国22地域へのパソコン寄贈を実現させている。
学生時代にフィリピンに滞在した際、「見ず知らずの日本人である自分を優しく受け入れてくれ、そのホスピタリティに感動した」という経験が忘れられず、「いつか恩返しがしたい」という思いを持ち続けていた高濱さんが、約2年間勤めた会社を退職しフィリピンへと渡ったのは、2011年6月のことだ。
当時から注目を集めていたオンライン授業というものを、実際に現地の学校を訪れどのような反応を示すかを調査したという。子どもたちの反応はとてもよく、興味を示してはいたが、まだまだネット回線が安定しないフィリピンでのオンライン授業は、難しいというのが現状であった。
しかし、オンライン授業が難しくも、パソコンを使える環境にいる人とそうでない人とでは、その後に就ける仕事が大きく変わってくるのも事実だった。ワードやエクセル、文書作成など、パソコンに触ったことがなければもちろん操作することはできない。その差が、貧困の差を生む一つの原因でもあるのだ。寄贈する先は、主に学校が多い。現地の先生たちの要望も、「子どもたちが将来仕事に就けるように、パソコンの操作を教えたい」というものだという。
パソコンの寄贈の依頼を受ける際に重視しているのは、それが「教育に繋がるか」という点である。台数にも限りがあり、また使い方によっては娯楽で終わってしまうものでもあるため、教育としての使い道ではない場合には、寄贈は行わないという。
■特別企画「フィリピンの学校にパソコン教室を」