――今はどのような仕事をしていますか?

片桐:都会にいながら気軽に土に触れ農業に取り組める、貸し農園事業や体験ツアー事業を行っています。貸し農園は、難波のオフィスビルの屋上にあり、お客様の目的もさまざまです。夜通し働く接客業の人が、仕事を離れ土に触れることで疲れを和らげたり、たこやき屋さんが商品の材料の一部にするため小麦を栽培したりしていました。

野菜を育てるための情報はインターネットや専門書で調べて実践してもらい、実際の作業は全てお客様に任せています。しかし、一般的なことしか書かれておらず、時には都会の気候に合った知恵が必要なこともあるので、困ったときは僕や知り合いの農業指導員がアドバイスをします。

ただ、基本的な方針は試行錯誤してもらうことで単に野菜を作るだけでなく、自分の植えた種の成長過程やこまめに世話をしないとうまく育たないという大変さも知ってもらいたい。

■農で心を和らげる

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