大学生が高齢者にスマートフォンの使い方を教える講座が16日、東京杉並区高井戸西のゆうゆう会館で開かれた。スマフォ離れが進む高齢者に、SNSなどでつながりを持たせる狙いがある。参加した高齢者からは、「(スマフォは)使いこなせないという先入観があったが、大学生がそばで教えてくれるから安心して使える」といった感想が聞かれた。(オルタナS副編集長=池田真隆)

大学生と一緒に初めてスマフォを使いこなす

当日行われた講座内容は、アプリを使って作りたい料理を調べることと人気SNS「LINE(ライン)」の使い方だ。参加したのは60代以上の女性を中心に12人。高齢者4人につき大学生1人が着いた。

参加したほとんどの人がスマフォは使ったことがない。東京調布市から参加した桑原順子さんは、「これまで触る機会がなかったが、使ってみたいと思っていた」と参加した動機を話す。

スマフォ講座は杉並区で8月から月に複数回開かれ、桑原さんは今回で2回目となる。1カ月ほど前に初めて参加して以来、スマフォに魅力を感じて早速購入した。

「ラインを使えるようになると、海外に住む娘と頻繁にコミュニケーションを取れるようになった」と笑顔で話した。今は、文字のフリック入力ができるように練習中だ。

同講座は、サムスン電子ジャパン(東京・港)が、大学生・大学院生を対象にした社会貢献活動支援プログラム「GALAXY Club(ギャラクシークラブ)」の一環として企画された。同社が販売するスマートフォン「GALAXY Note2(ギャラクシーノート2)」を、ボランティア活動を展開する大学生・大学院生に配布し、若者の社会貢献活動を活性化することが狙いだ。約100人の大学生らが参加しており、チームに分かれて、スマフォを生かしたユニークな社会貢献活動を年末まで競い合う。

スマフォ教室を企画した発案者は東京大学大学院経済学研究科修士課程1年の明城壮志さん。高齢者への指導経験はなかったので、事前に、NPO法人竹箒の会のスタッフに方法を教わった。「高齢者の方はスマフォは使いたがらないと思っていたが、そうではなかった。こちらが教えると、貪欲に学んでいる」と手応えを話す。

高齢者に人気な機能は、ラインとマップだ。「ラインのスタンプや通話機能に驚いていた。地図に関しては、新しくはないもののナビや乗換案内との連動に利便性を見出していた」(明城さん)

約50人弱の参加者へのアンケートから、スマフォへの期待に関しては、「大変期待している」ことに加えて、「使いこなしたい」と考えていることが分かった。購入していない理由に関しては、「価格より機能を使いこなすことへの不安」だと明らかになった。