(写真 ショップ.学研)
空気は熱すると膨張し、冷ますと収縮する。この性質を利用し、ピストン運動を発生させ、その動力を利用するのがスターリングエンジンだ。19世紀に発明され、長い間実用化への試みが繰り返されてきたが、ここ数年再び注目されている。
スターリングエンジンとはスコットランドの牧師ロバート・スターリングが1816年に発明したエンジンである。上部の回転盤は下のカップの中の飲み物の温かさだけで動いている。
200年も前に発明されていたが、機械の大きさに比べ出力が小さいためにほとんど実用化はされてこなかった。しかし技術の進歩と共に改めて見直されつつある。
既に工場などで出る排熱を利用した発電機が設置されている所もあるほか、一般家庭でもボイラーなどに小型のものを設置すれば家庭電力の3分の1を賄えるという試算もある。
また太陽光の熱を利用することもできる。この場合、夜間はバイオマスから発生する熱を利用することもできるという。
熱さえあれば熱源は選ばず、車のエンジンのように爆発を起こすわけではないので静かだ。さらにNOx(窒素酸化物)のような有毒物質も出さないクリーンなエネルギー。200年前の発明がこれからの私たちを支えてくれる日も近いかもしれない。(オルタナS特派員 大下ショヘル)