NPO法人地球生物会議ALIVEが実施した「全国動物行政アンケート調査」(2011年度)によると、犬の年間殺処分数は4万4882頭、猫の年間殺処分数は13万8559頭にも上る。そこで、ユナイテッド(大阪市)は昨年、保護した犬をカフェで受け入れ、里親探しの場所とする「HOGOKEN CAFÉ」(保護犬カフェ)をオープンした。(フリーライター・今一生)

カフェにいる犬たちは、犬種、年齢、名前などが公式サイトで紹介されている

年間18万頭を超える殺処分に対して、動物福祉の観点から全国で市民による反対運動も起こっている。

ユナイテッドは、飼い主に捨てられた犬や猫を殺処分から救おうと、2013年2月にHOGOKEN CAFÉ天神橋店をオープン。その後、2号店として保護犬・保護猫カフェ (寺田町店)や、保護犬ショップ(奈良)も開業した。

カフェでは、NPO法人動物愛護譲渡促進団体ラブファイブ(大阪市)が保護した動物を受け入れている。

こうしたカフェやショップは、犬や猫と触れ合いたい客を集める一方、「ふれあい譲渡会」というサロンが開かれ、犬や猫の里親捜しの場所として機能している。

ラブファイブの副代表・吉井純也さんは、「保護犬カフェを通じて犬・猫合わせて月10~15頭のペースで里親が見つかっています」と説明する。

「カフェなら、里親になりたい人がいざ飼った時のイメージがしやすいのです。屋外での譲渡会よりも気軽に何度も犬猫に触れられるのも利点。全頭の肩甲骨の間には、マイクロチップを専用の注射器で埋め込み、安易な遺棄を防ぎます。また、災害時に家族から離れてしまった場合でも保健所に照合することができます」(吉井さん)

犬猫を保護すればするほど、飼育費や食費などさまざまな経費負担が大きくなる。そのため、同NPOでは寄付やボランティアや支援物資を常時募っている。

◆ 保護犬カフェ

◆ NPO法人ラブファイブ