その手法は、5つのリーダーシップの要素から構成される。「ストーリーテリング」「関係構築」「チーム構築」「戦略立案」「アクション」である。
◆ストーリーテリング
人が行動を起こすときは、必ずストーリーが生まれる。無関心や恐れから動かないでいる人を動かすには、まず心を動かすことが必要となる。自分が行動した理由を話し、聞き手の共感を獲得し、「私たち」のストーリーとして伝える。
◆関係構築
自主的なボランティア活動を行うためには、メンバー同士の信頼関係構築がカギとなる。金銭・雇用関係がない中で、ボランティア活動を続けていくには、共通の目的を持ち、信頼し合い、お互いに成長できる関係が必要である。1対1で向き合うことが重要となる。
◆チーム構築
活動を推進していくためには、コアとなる数人から10人程度のチームが重要となる。多様性のある性格、スキル、ネットワークを持つ人を集め、共有の目的の下に動けるチームをつくる。
◆戦力立案
社会のシステムを変えたり、課題を解決するためには、ステークホルダーを分析し、状況とリソースをどのように使って戦略を立てるのかが重要となる。
◆アクション
社会課題の解決は少人数ではできない。アクションをともに起こすコミットメントをつくっていくこと、楽しく、かつ実際に社会が変えられる、やる気が出るアクションを設計することが欠かせない。
「経営者だけが夢を実現する会社は必要ない。一人ひとりが夢を実現する会社にしていきたい」――これは柳井会長兼社長の言葉だ。コミュニティ・オーガナイジングの手法を参考にし、この言葉通り、社員一人ひとりが主役となる会社になることを望む。