児童労働問題に取り組むNPO法人ACE(エース)は、「『そのこ』の未来キャンペーン」を実施している。日本を代表する詩人、谷川俊太郎さん書き下ろしの詩「そのこ」をきっかけに児童労働の事実を知ってもらい、募金を呼びかけるプロジェクトだ。児童労働を強いられている「そのこ」は世界中にいる。キャンペーンは6月12日から始まっており、期間は2カ月。1口100円から参加できる。(オルタナS編集部=佐藤 理来)

詩「そのこ」を朗読する谷川俊太郎さん=2010年ACE法人化5周年記念シンポジウム

詩「そのこ」を朗読する谷川俊太郎さん=2010年ACE法人化5周年記念シンポジウム

国際労働機関(ILO)の報告によると、児童労働をする子どもは1億6800万人にのぼる。児童労働とは、義務教育を妨げる労働や、法律で禁止されている18歳未満の危険・有害な労働を指す。アルバイトや家の手伝いとは区別されるものだ。教育の機会が阻害されるだけでなく、社会的地位の低さから搾取に対象になることも多い。

ACEは、児童労働のなくならない原因のひとつに社会的無知があるとして、まずは「そのこ」の詩を10万人に伝えることを目標とする。詩「そのこ」谷川さんらしいシンプルな表現で、7歳の子どもの視点に立ってつづられている。

「そのこはとおくにいる
そのこはぼくのともだちじゃない
でもぼくはしっている
ぼくがともだちとあそんでいるとき
そのこがひとりではたらいているのを」(谷川俊太郎「そのこ」冒頭より)

・「そのこ」の未来キャンペーンはこちら