都会から離島に移住し、人生を再出発した若者たちのドキュメンタリーが10月11日、渋谷アップリンク他で公開される。離島では、お金も物もわずかだが、90歳を超えても、生き生きと暮らす老人たちに出会う。若者たちは島の老人たちから、人生を楽しむコツを学んでいく。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

離島で幸せを探す若者を追ったドキュメンタリー

離島で幸せを探す若者を追ったドキュメンタリー

映画タイトルは、「ハッピー・リトル・アイランド――長寿で豊かなギリシャの島で――」(監督 ニコス・ダヤンダス)。舞台は、ギリシャの離島で、エーゲ海に浮かぶイカリア島。大都市アテネで、IT関連企業で働いていた35歳のトドリスと彼女のアナは二人で移住した。新たな地で自給自足生活に苦戦する二人を追いかけた。

ギリシャは2010年からの経済危機で若者の半分が職を失った。再就職できる望みも薄く、希望を失った彼/彼女らは「ロストジェネレーション」と呼ばれた。アテネでは、若者たちの暴動が激化し、治安は悪化。多くは、ギリシャを離れ、海外や地方に逃れた。

その流れに乗り、トドリスとアナもイカリア島に移住した。イカリア島は長寿で有名な島で、経済的にも物質的にも豊かではないが、幸せに暮らす老人が多くいると聞かされていた。都市で効率的な暮らしをしていた若者カップルは、どこかミステリアスなこの島に惹かれた。

アテネに嫌気を感じ、期待に胸を膨らませて移住したが、イカリア島での暮らしは困難の連続。トドリスは畑付きの家を購入したが、窓や床が破損しており、修理することで精一杯。畑作りも失敗の連続。イカリア島での暮らしも、都市アテネと変わらず過酷なものだと実感する。

なぜこの島の老人たちは豊かに暮らしているのか。その秘けつとは。作品の終盤で、二人は老人たちから幸せに生きるコツを聞かされる。

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10月11日(土)渋谷アップリンク他でロードショー