Studio COOCA(スタジオクーカ)は、障がいを持ったアーティストたちが所属する福祉施設だ。同施設には、約100人が所属し、絵画制作や雑貨づくり、パフォーマンスなどの創作活動を行っている。ハンディキャップを持つ人たちの個性を表現する場となっている。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

カラフルな背景に人を描いた作品

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スタジオクーカは2009年9月に設立された。所属するのは、様々な障がいなどを持った100人のアーティスト。彼/彼女たちが作った作品は、神奈川県平塚市にある施設や商業施設内でのポップアップショップ、催事などの機会に販売されている。作品売上の半分が作者に入り、残りの半分を所属アーティストで分け合う仕組みだ。

stdio COOCA所属アーティスト・大野晋平氏(ピンクのTシャツを着用)のライブペイント。大野氏を囲んだアーティストたちが楽器の演奏で盛り上げる

stdio COOCA所属アーティスト・大野晋平氏(ピンクのTシャツを着用)のライブペイント。大野氏を囲んだアーティストたちが楽器の演奏で盛り上げる=10月14日、伊藤忠青山アートスクエアで

大野氏にスイッチが入ると、絵を描き出す

大野氏にスイッチが入ると、絵を描き出す=10月14日、伊藤忠青山アートスクエアで

作品の収入が、障がい者年金に加えて入るので自立支援を促進する。だが、現実は厳しい。同施設を運営する株式会社 愉快(神奈川・平塚市)の関根幹司社長は、「アウトサイダーアートの市場はまだ日本にはない。そのため、作品からの収入は微々たるもの」と話す。

アウトサイダーアートとは、美術に関する教育を受けていない知的障がい者らが既成概念にとらわれないで自由に表現することを指す。

関根社長は、「彼らの活動が報われるのは、50年後、100年後になるかもしれない」と言う。2009年に設立してから、「絵なんて描いて何になるのか」と言われることもあったという。しかし、「ハンディキャップという個性を表現する」という行為に意義を感じ、5年間続けてきた。

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「障がいは、乗り越えるべきものという考え方をされる傾向にある。残念ながら、障がいによって人と違っていることを個性とはとらえられていない。ここでは、その個性を乗り越えなくてもいいんだよ。自由に表現してもいいんだよと伝えている」(関根社長)

伊藤忠青山アートスクエアでは、10月13日から11月3日まで、「スタジオクーカの世界展」を開催している。同スクエアには、クーカの所属アーティストがつくった、絵画や陶器フィギュア、エプロンなどのファブリック雑貨が展示・販売されている。伊藤忠商事 広報部 CSR・地球環境室の猪俣恵美氏は、「アートを通じて、障がい者の方々の自立支援につながる場となれば」と話す。

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伊藤忠青山アートスクエアに飾られている作品 (C)stdio COOCA

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伊藤忠青山アートスクエアに飾られている作品 (C)stdio COOCA

◆「スタジオクーカの世界展」
会期: 10月13日(月)~11月3日(月)(入場無料)
会場: 伊藤忠青山アートスクエア
    (東京都港区北青山2-3-1シーアイプラザB1F tel.03-5772-2913)
    公式サイト(http://www.itochu-artsquare.jp/
◆シンポジウム「超個性!でどう稼げるか」
とき:10月26日(日)17:00~18:00 (入場無料)
ところ:伊藤忠青山アートスクエア
登壇者:金島隆弘氏(アートフェア東京 プログラムディレクター)
    山縣良和氏(ファッションデザイナー)
    関根幹司氏(スタジオクーカ施設長)

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