特定非営利活動法人横浜コミュニティデザイン・ラボ(横浜市中区)はアクセンチュア(東京・港)や横浜市立大学などと組み、ICTで横浜の地域課題の解決に挑んでいる。横浜市民から、ネットで同市の地域課題を集め、グーグルアース上で共有する。サイトでは、その課題を解決するための資金調達や仲間集めもでき、コミュニティの力で街をより良くしていく。(オルタナS副編集長=池田 真隆)
ウェブサイトは、「LOCAL GOOD YOKOHAMA(以下LGY)」で、横浜市内の地域課題の解決に向けて、ITやビッグデータを駆使して市民とともに取り組むためのプラットフォームだ。同サイトでは、横浜市内のNPO・市民活動を紹介するニュースを週に2-3本更新している。横浜市政策局と提携しているので、同市の人口推移・猛暑日・高齢者の意識調査などのデータも30件以上紹介している。
同サイトがプレオープンしたのが2014年6月12日だが、同年10月27日に機能を拡充し、クラウドファンディングとスキルマッチング、そして、市民が課題を投稿し、3Dマップで共有できる仕組みにした。
現在、同サイトのユーザー数は、約400人おり、同市の課題は、50件投稿されている。同サイトには横浜市の地図が掲載されており、地図上のピンをクリックすると、市民からの投稿を閲覧できるようになっている。
例えば、関内駅のピンをクリックすると、「同駅の地下通路にはホームレスが多く生活している。追い出すのではなく、根本的な解決策が必要」と出て、小机駅の近くのピンは、「空いている保育園が見つからない、小机駅周辺に保育園を新設してほしい」と出る。
■横浜18地区で毎月交流会
市民が感じている課題を知れるだけでなく、同サイトで、その課題を解決するための活動資金の調達もできる。そして、集められるのは資金だけでなく、人も。
ユーザーは、執筆・ウェブサイト制作・経営サポートなどのスキルを登録し、クラウドファンディングで掲載しているプロジェクトに、そのスキルで協力できる。
今後は、ネット上でのつながりだけでなく、リアルな場でのつながりを意識した活動も行っていく。横浜の地域課題を解決したいと思う人を集めた交流会を、同市の各地区で月に1回開くことを考えているという。地区は、中区や保土ヶ谷区、南区など18ある。
そして、同市の地域情報を記事化するレポーターも育成していく。同市に住む主婦や大学生、社会人を対象に執筆マニュアルを作成する。
同サイトで5月から、「ダブルケア(育児と介護の同時進行)」の課題に取り組みだす。同サイトを主軸にして、NPOや大学教授、横浜市、企業を巻き込み、この課題に直面する市民へのサポートを行う。具体的には、クラウドファンディングで資金を集め、調査研究も進める。
LGYを運営する横浜コミュニティデザイン・ラボの杉浦裕樹代表理事は、「地域の課題をどうにかしたいと思う人たちをつなげて、横浜をより良くしていきたい」と意気込む。
◆LOCAL GOOD YOKOHAMAはこちら
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