WWFジャパンと自然エネルギー財団は4月7日、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、持続可能なオリンピックの実現に向けた声明を共同で発表した。東京への招致活動では、「最も持続可能なオリンピック」と評価された2012年のロンドン大会を超える意欲的な目標が設定された。両団体は、その実現の鍵は、いかに幅広く知見を集め、国民の参加意識を高めることができるかにかかっているとする。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

東京はロンドンを超えられるかと題してシンポジウムは開かれた=4月7日・プレスセンターホールで

東京はロンドンを超えられるかと題してシンポジウムは開かれた=4月7日・プレスセンターホールで

以下に両団体が発表した共同声明を記載する。

1.大会開催にあたって、環境負荷を最小限に抑える持続可能性マネジメントのしくみと実践例をつくるとともに、開催を契機に大会のレガシーとして、国内で広く導入され、日本が持続可能な社会に大きく近づく変革の契機としていく。また、その取り組みを国外にも広く発信する。

2.マルチ・ステークホルダー形式で、大会組織委員会、東京都と環境NGOを含む各種関係者が積極的に持続可能性方針・計画・目標の設定についての合意形成を図り、また、その進捗の測定と成果の発信において協働し、大会の持続可能性マネジメントを成功させる。

3.大会の準備、開催、閉会後のレガシー形成の全プロセスを通じて、自然エネルギーの最大限の活用・スマートな消費活動・持続可能な調達方針の採用・生物多様性の保全・環境教育を促進し、持続可能性の重要性に関する日本での普及啓発の機会としていく。

日本は1964年の東京オリンピック大会を契機に高度経済成長を実現し、世界有数の経済大国となった。一方、その成長の結果、地球に持続可能な範囲を超えた負荷をかけるようにもなり、WWF「生きている地球レポート2014」では世界中の人々が日本人と同じ生活をすれば、地球が2.3個分必要となってしまう公表した。

両団体は、2020年の東京大会を「各国の利害を超えて世界規模で課題解決に取り組む必要性を共有することが、今後もオリンピック・パラリンピック大会を継続して行う基盤となる」と訴えた。

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