インナーメーカーのアズ(大阪府箕面市)は6月1日から30日まで、江戸時代より継承される織物「高島ちぢみ」を使ったステテコ「柄見立て」シリーズを、同社のブランドサイト「粋肌着」で、父の日オリジナルギフトパッケージとして販売している。「柄見立て」の「見立て」とは、枯山水(白砂で水の流れに見立てた日本独自の庭園様式)のように、モチーフを別の何かで表現する技法。伝統の「高島ちぢみ」に、現代風「見立て」柄をデザインしたステテコは、蒸し暑い日本の夏を、粋に涼しく過ごせるアイテムとして注目が集まりそうだ。(オルタナS関西支局特派員=近藤 浩己)
「柄見立て」は、石畳をモチーフにした「江戸市松」など全6種類。歴史ある「見立て」をファッショナブルにアレンジさせたモダンデザインが特徴だ。
使用している高島ちぢみは、滋賀県高島地方で200年にわたり受け継がれてきた、クレープ素材とも呼ばれる織物。緯糸(よこいと)に通常の2倍ほど強い撚(よ)りをかけることで生まれる凹凸が、肌に密着しない、サラリとした肌触りを叶えている。本来、ズボンの下にはき、汗によるべたつきを防止するステテコだが、高いデザイン性で、おしゃれな部屋着としても人気だという。
ステテコは、エアコンなどがない時代から、高温多湿な日本の夏を乗り切るために愛用されてきたエコ衣料。凸凹のクレープ素材に、適度なゆとりを持つシルエットは、身体と衣服の間に適度な空間を作り、放熱をうながしてくれる。
職人たちが引き継いできた暑さを和らげる工夫とモダンな見立て柄に身を包み、エアコンのスイッチを切って過ごしてみるのも、日本人ならではの粋な節電対策ではないだろうか。
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