「大学のキャリアセンターや学生の間で誤ったオワハラ対策が進み、学生・企業の両方で機会損失となっている」。こう話すのは、ソーシャルメディアの構築・運用を提供するガイアックス管理本部・採用責任者の木村智浩さんだ。

木村さんがここで言う「誤った対策」とは、内定承諾書を提出して、就職活動を続けることを推奨する動きを指す。

法政大学キャリアデザイン学部の上西充子教授は、「内定を承諾する誓約書には、法的拘束力はない。誓約書を提出しても、学生は他社の選考を受け続けて構わない。他社の選考を受ける中で、より志望度の高い企業に内定を得た場合、誓約書を書いた企業に内定辞退を申し出ても構わない」としている。

ガイアックスは、2015年卒の内定者(約3万人※)の内定承諾後の辞退傾向について調べた。その結果、内定式や入社直前での申し出が多いことが分かった。内定辞退の申し出が遅れることの背景に、「とりあえずの内定承諾がある」と木村さんは分析する。

※同社提供のSNS「エアリーフレッシャーズ」の2015年卒向けサイトを利用した内定者数

内定承諾後の辞退率と学生の就職活動終了時期の比較

内定承諾後の辞退率と学生の就職活動終了時期の比較。ガイアックス作成

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